EP. working memory〈GHOST with HUMAN 8910〉の結成、あるいは出現に関するポートレート
EP. working memory
〈GHOST with HUMAN 8910〉の結成、あるいは出現に関するポートレート。
(GwH、自創作バンド1周年記念)
1.雲の上 往来に見果てぬほど高い梯子がかかっていた。子どもは、青年は、老人は、そして狼人は、それぞれに上り、雲の上を見た。
〈灰色の街〉では見たこともない明るい青空だ。もちろんそこは死者の国ではない。かれらは梯子を降り、また街に戻った。
誰かが来れば必ず痕跡が残る。子どもが上げた歓声。青年が落とした目の鱗。