5時間目 音の長さ
〇分音符
みなさんは〇分音符・・・の話は得意ですか?
小学生の頃、僕は音楽でこれを習って
「で、結局4分音符って何秒なの?」
というちょっと理解力を疑う疑問を真剣に持ちました。
何となく当時は「〇ぶおんぷ」っていう音で覚えていて、漢字の「〇分音符」の意味をちゃんと考えていなかったんですよね。
要するに「1小節を〇分割する長さ」という意味の数字が〇の中に入ることになるんです。なので「何秒」とか決まっているはずもなく(テンポ・BPMが決まっていれば計算は出来ますが)不毛な悩みでした。
ちょっと注意が必要なのは4分の4拍子が基準になっていること。
4分の3拍子でも「1小節を3つに分けるから3分音符」とはなりません。
ここで拍子を表す「〇分の△拍子」というところに意味が出てくるんですね。〇(分母)が基準になる音の長さで、△(分子)が1小節にそれが何個入るのかを表すことになります。
ただの白い丸だと全音符、つまり1小節分の長さということになります。
そこから長さを半分にしていくたびに音符に飾りを増やしていくことになります。
DAWのピアノロールで見るとそれぞれ音の長さの分だけカラオケの音程バーみたいなのが出てきますよね。その「音の長さ」を音符で書くとどうなるか、というお話でした。
実はこれ以外にも「符点〇分音符」というものがあるのはご存知でしょうか?これは音符でも休符でも右側に点が付くのですが、意味は「1.5倍」の長さになるよ!ということです。もしご要望があればまた加筆していきたいと思いますが、今回はこのくらいにしておきたいと思います。
休符
さて、図の一番下に雑に書いてあるのが「休符」です。
これは長さは音符と同じですが、そこでは音を鳴らさない、出さないという意味ですね。
作曲をしたい方などはこの休符ってとても大事なので覚えておきましょう。フレーズの切れ目や息継ぎ(ブレス)の場所にもなりえますし、リズム感を表現するためにもとても使えます。
逆にみんな初めのうちは「音をたくさん書いたらかっこいい!」みたいな意欲がありすぎて音符を詰め込んでしまうんです。
すると実際に演奏しようとしたときに管楽器や歌の人たちが窒息するような曲になっていたり、リズムにメリハリがなくなったりしてしまいます。
呼吸の大切さ
デジタルで音楽を作っていくと無限に音は伸ばせますし、どんなに長いフレーズでも作れます。カッコ良ければ問題ない!という気もします。
ところが不思議なもので音楽を聴く分には関係ないはずなのに「息継ぎ」のない音に人間は疲れるように出来ているんです。
これは人の話を聞く時も同じです。息継ぎもせずに長く話し続けられると聞いていて苦しくなるだけでなく、実は内容の理解度も落ちるんです。
ですから上手な語り手というのは意識的に聞き手と呼吸のタイミングを合わせています(まさに「息が合う」ということです)。
頷くとき、首を下に動かすことで息が吐かれ、元に戻る時に吸うことになりますよね。このタイミングをうまく作ることで話はよりよく伝わるのだそうです。
音楽でも「心地良い」と感じるためにはそういった「呼吸」を意識する必要があり、そういう場面でも休符は大きな役割を果たしているんですね。
休符は勇気がいる
ここでお話する内容としてはちょっとずれてしまうのですが、作曲やアレンジも慣れてきたらたくさん詰め込むばかりではなく、最小限の音で最高の効果を得られるカッコ良さみたいなことも考えていけるようになると良いと思います。
DTMはこの「息継ぎ」を考えなくても演奏できてしまうため、便利とも言えますが、先にも書いた通り人は聞いているだけでも「息継ぎ」を必要とするんです。ですから、休符を上手に使えるようになると一層心地よい音楽が作れるようになります。「音を鳴らさない」って意外と勇気のいることなんですけどね!
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