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Sound Horizonの考察・調査記事まとめ

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ニンニ リズが書いた、Sound Horizonの楽曲や世界観に関する考察や調査記録記事のまとめ。
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#イドへ至る森へ至るイド

【SH考察:088】テレーゼが青の差し色がある黒き貴婦人である理由

Sound Horizonの楽曲に登場する母親のなかでも、ひときわその意志の強さが印象的な女性、Therese von Ludowing。 彼女は差し色に青が入った黒い服を身にまとっており、暗い森で目立たず過ごすには一役買っていただろう。ただ、その服の色に込められた他の価値観の可能性が考えられたため、今回まとめていこうと思う。 対象Prologue Maxi イドへ至る森へ至るイドより『光と闇の童話』『彼女が魔女になった理由』 考察黒き貴婦人テレーゼ イドへ至る森へ至

【SH考察:014】イドイドとMärchenの時系列

Sound Horizonの中でも2つのCDから成り立つ物語。プロローグであるシングル『イドへ至る森へ至るイド』と、7番目の地平線であるアルバム『Märchen』。 全体を通して黒死病(ペスト)や魔女狩り、宗教改革の影響が垣間見える。そのため、そういったヒントを拾いつつ、実際の史実を参考にして、各局の時系列の整理を試みた。 対象曲Prologue Maxi イドへ至る森へ至るイド 全曲 7th Story Märchen 全曲 考察薔薇の塔で眠る姫君:? いきなりだが

【SH考察:013】プロイツェンはドイツに近いがプロイセンからは遠い

Sound Horizonの作中には、ドイツっぽい地名がいくつか登場する。 そしてドイツそのものを指していそうな「プロイツェン」はかつて存在した国「プロイセン」を連想させる。 しかし実はプロイセンそのものは、現ドイツと支配領域が異なる。 その矛盾を皮切りに、「プロイツェン」が単一の王を仰ぐ国なのか、各地名を整理しながら「プロイツェン」の支配領域と、国家形態を検証する。 関連曲各地名が登場する曲。 1st Story Renewal Chronicle2nd より『聖戦と死

【SH考察:011】実在のルードウィング家・ヴェッティン家との比較

Sound Horizonの作中登場人物であるテレーゼやメルツのルードウィング家と、エリーザベトのヴェッティン家。 人物は架空の存在ではある者の、この2つの家系自体は実在する。 サンホラの世界と実在する家計の歴史を比較することで、サンホラの世界のストーリーがどれくらい現実と矛盾せずとらえられるかを検証した。 対象曲Prologue Maxi イドへ至る森へ至るイドの3曲すべて 7th Story Märchenから『磔刑の聖女』 考察曲中の出来事整理 イドイドの中は3