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~ アニリミDJが選ぶ2022年Best of Anison Remix Top10 ~

始めに。

 皆様、初めましての方は初めまして。
まずは、当記事を読んでくださり誠にありがとうございます。
私は、現在都内を中心にDJ / Remixerとして活動しているSoregashiと申します。普段は、しがない会社員をしつつ、その傍らで秋葉原MOGRAや、渋谷club asia、はたまたインターネットの奥底といった場所でひっそりと活動しております。
 自己紹介をこのままつらつらと書き連ねても、せっかく記事を読みに来ていただいた皆様を退屈にさせてしまうだけかと思いますので、それはまた別の機会にして、早速本題に移らせていただきたく思います。

"アニソンRemix"とは?そして、当記事の意味

 私は、普段より"アニソン Remix"と呼ばれる楽曲を主戦場にして日々の活動をしております。このアニソンRemixとは、一般的に呼ばれている"音楽ジャンル"とは少し違い、この世のありとあらゆるアニソン楽曲をRemixerがアニメにおいての印象や、キャラクターの特性などを"再解釈"し、楽曲に起こすことによる”再定義”により生まれているものの総称だと私は思っています。(解釈は人それぞれにあるべきものであり、絶対的にこうであるというものではありません。)
 それ故に、現在ではインターネット上の楽曲投稿サイト(SoundCloud etc..)や、はたまたレーベル公式から様々なアニソンRemixが提供されており、様々なクリエイターたちが楽曲の新たな側面を日々私たちに提供してくれています。

 そこで当記事では、今年(2022/1/1~11/31迄にインターネット上で発表・リリースされた楽曲を対象)のアニソンRemixの中で、先ほど述べた再定義がうまく表現されている楽曲を"10個"、私の感性ではありますが、発表していきたいと思います。(ランキング形式ではありますが、どれも甲乙付け難いものになっているので、そこはご了承のほどよろしくお願いいたします。)
 当記事を読み終わった後に皆様も是非、新しく聞いてみたり、今年良かったなと思うアニソンRemixを聞いてみてください。また、「こんないい曲もあるよ!」というのがあれば是非とも共有していただけると大変うれしく思います。よろしくお願いいたします。

第10位~第4位

 まずは、第10位~第4位までを一気に紹介していきたいと思います。
それぞれの楽曲紹介欄に、この曲のどこが素晴らしいかを個人的なものではありますが、書かせていただいたので是非ともご覧ください。

第10位:Reflective illumination night(ark_ui bootleg)

 第10位にランクインしたのは、ark_ui氏(Twitter:https://twitter.com/ark_ui)による"Reflective illumination night(ark_ui bootleg)"です。
元々原曲がかなりオシャレな曲調であった中で、それをHouseチックに仕立て上げ、渋谷凛(アイドルマスターシンデレラガールズ内に登場する本曲歌唱キャラ)らしい都会の喧騒と静けさを併せ持たすことにより、この上なくおしゃれなRemixに仕上がっています。
 お酒片手にこの曲を聴いたら、そこはもう立派な都会のクラブです。

第9位:COLORS(James Landino Remix)

 第9位にランクインしたのは、James Landino氏(Twitter:https://twitter.com/JamesLandino)による"COLORS(James Landino Remix)"です。
この作品は、ソニー・ミュージックレーベルズが手掛ける"Sakura Chill Beats"というプロジェクトからリリースされた内の1曲であり、他にもSlushii
や、Retrovision、Aiobahnといった名だたるメンバーがアニソンRemixを提供しています。

 その中でも、この作品は、原曲であるFLOWの力強さを維持し、Drop部分を非常にダンサブルにさせることにより、よりクラブシーンにおいても使いやすく、またお客さんも乗りやすくなっていることから私も自分のプレイ時には愛用させてもらっています。まさに、2022年のSakura Chill Beatsを代表する1曲だと私は思っています。

第8位:ワガママMIRROR HEART(yuzen Remix)

 第8位にランクインしたのは、福岡在住のトラックメーカーyuzen氏(Twitter:https://twitter.com/ogaryo_yuzen)による"ワガママMIRROR HEART(yuzen Remix)"です。
この楽曲は、今年の3月にアニソンなどを多く手掛けているレーベル"Lantis"の新プロジェクト「CLUB Lantis」第一弾アルバム"Remix the Future"に収録されている楽曲です。

 元曲は声優の大橋彩香氏が歌唱しているかなり疾走感のある楽曲で、このyuzen Remixでもその要素を前半部分に十分に残しつつ、Drop部分では近年の流行サウンドであるColour Bassチックな音を使い、しっかりとクラブテイストに仕上げられています。
 重厚感のあるRemix楽曲の為、聞いていて非常に満足感の高い1曲となっていると思います。

第7位:I Really Want To Stay At Your House (VITICZ Remix)

  第7位にランクインしたのは、シンガポール在住のアーティスト、VITICZ氏(Twitter:https://twitter.com/VITICZ)による、"I Really Want To Stay At Your House (VITICZ Remix)"です。
 この楽曲は、NETFLIXオリジナルアニメーション作品である"CYBERPUNK 2077 EDGE RUNNERS"の劇中歌であり、本作の一つのキーワードとして"宇宙"が関わってきます。

 この宇宙を大きくイメージしたかのように聞こえてくる本Remixは、是非とも作品を一通り見終わった後に聞いてみて欲しいです。
 作品自体も非常に濃密な作品ですが、それを視聴後に本Remixを聞くと、どこか一つの映画作品を見終わり、エンドロールをゆったりと見ているような清々しさが満たしてくれます。

第6位:Hikaru Utada - One Last Kiss (hirihiri remix)

 第6位にランクインしたのは、hirihiri氏(Twitter:https://twitter.com/hirihiri)による、"One Last Kiss (hirihiri remix)"です。
 hirihiri氏と言えば、日本ではHyperpopの作り手として非常に有名ですが、そんな彼が作った本Remixは、hirihiri氏らしい音作りとダークさを兼ね備えていて、ヱヴァンゲリヲンらしい陰鬱さが上手く表現されています。
 そんなhirihiri氏は、本作以外にも多くのRemix楽曲をSoundCloudにアップロードしており、そのどれもが非常にクオリティの高いものになっているので、是非とも聞いてみてください。

第5位:stars we chase (CHUYO Remix)

 第5位にランクインしたのは、韓国在住のDJ兼トラックメーカーのCHUYO氏(Twitter:https://twitter.com/chuyomusic) 作成の"stars we chase(CHUYO Remix)"です。
  この楽曲は、人気コンテンツ"ラブライブ"のシリーズ作品である"ラブライブ 虹ヶ咲スクールアイドル同好会"の劇中歌として用いられた楽曲であり、アニメの劇中歌にしては珍しく歌詞は全て英語で綴られています。
 原曲では、少しBPMが低めである本楽曲を少し上げてFuture House に仕立てることにより、よりミア・テイラー(本曲の歌唱キャラクター)らしさを引き立てられています。
 先ほど紹介した本曲も登場する"ラブライブ 虹ヶ咲スクールアイドル同好会"は、今までラブライブを見たことが無い方でも非常に見やすい作品かつ、劇中に登場する楽曲どれもが非常にレベルの高いものですので、まだ未視聴の方は是非一度ご覧になってはいかがでしょうか…?

第4位:花の塔(5u5h1 Remix) ※SoundCloudから消去済みの為、URL無

 第4位にランクインしたのは、5u5h1氏(Twitter:https://twitter.com/sushi0422) による"花の塔(5u5h1 Remix)"です。
 本曲は、オリジナルTVアニメーション"リコリス・リコイル"のEDである楽曲を基にRemixされており、このリコリス・リコイルはストーリーもさることながら、作画なども非常に優れており、放送当初はTwitterのトレンドランキングを総なめするレベルで話題を呼んだ作品です。
 そんな作品の楽曲をこのRemixでは、Future BassとDum’n  Bassを合わせた形に仕上がっていて、非常に爽快感のある楽曲になっています。
 現在は、視聴が出来なくなっていますが、とてもいい楽曲なのでぜひ現場に足を運んで聞いてみてください。


Top3発表の前に番外編

 いよいよ残すは上位3作品となったわけですが、ここで惜しくも10位以内には入らなかったり、アニソンRemixとは少し違う系統の曲の中で私が特にオススメしたい楽曲を3曲紹介させていただきます。
 どれも素晴らしい楽曲なので、是非チェックしてみてください。

Euphony - yukimuraoi

 まず一つ目は、yukimuraoi氏による"Euphony"です。この楽曲は、droplamp氏(Twitter:https://twitter.com/droplamp_)が主催しているAnime Scenes Traxというアニメの劇中歌からサンプリングし、そこに作品の中の世界観を合わせることに単純なRemixとはまた違った世界観を生み出すことを目的としたEPであり、今作はTVアニメーション"響け!ユーフォニアム"からサンプリングされており、ユーフォニアムらしいブラスサウンドと、yukimuraoi氏の得意とするGarage系統のサウンドが絶妙にマッチングされている作品になっています。
 特に曲終盤では、劇中でのキャラクター同士のセリフをサンプリングし一気に畳みかけてくる使用になっている為、アニメを視聴済みの方は勿論、未視聴の方でも非常に楽しめる作品になっています。

キミヘ ムカウ ヒカリ(tonoyam bootleg)

 続いて2つ目は、tonoyama氏(Twitter:https://twitter.com/tnoyama_X) による"キミへムカウヒカリ(tonoyam bootleg)"です。
 この元楽曲は、TVアニメ"ゼーガペイン"のOPとして採用されている楽曲であり、今回のbootlegではTonoyama氏の得意とするダークな雰囲気を前面に出しつつも、Drop部分では原曲のゆったりとしたどこか心を落ち着かせてくれる要素を残しながらRemixされており、とても聞き心地の良い仕上がりになっています。

Livetune ft. Hatsune Miku - TELL YOUR WORLD (NUU$HI 2020 Vip Remix)

 最後3つ目に挙げる作品は、少し本題からそれてしまうかもしれませんが挙げさせていただきます。
 3つ目は、NUU$HI氏(Twitter:https://twitter.com/IamNuushi) による"Livetune ft. Hatsune Miku - TELL YOUR WORLD (NUU$HI 2020 Vip Remix)"です。
 この楽曲は、曲名にもある通り、本来2020年に作成された楽曲であり、それが今年の8月31日、初音ミクの生誕に合わせて公開されたものになります。この楽曲は、従来のTelll Your WorldらしいFuture系統のサウンドにNUU$HI氏らしいDubstep調のアレンジをDrop部分に加えることにより、いわゆる"外タレ"チックな曲に仕上がっています。
 正直なところ、今回の題材がアニソンRemixでなければランクインをしていたかもしれませんが、今回は題材が少し違っているのでこちらに記載させていただきました。

第3位~第1位

大変お待たせしました。
ここからはTop3の発表となります。第1位にはどの曲が来るのか….
お楽しみに。

第3位:Ado - 新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED) [DJ Shimamura Bootleg Remix]

 まず第3位にランクインしたのは、国産Hardcoreの重鎮、DJ Shimamura氏(Twitter:https://twitter.com/djshimamura)による、"新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED) [DJ Shimamura Bootleg Remix]"です。
 この楽曲は、まさしく2022年を代表する楽曲と言っても過言ではない"映画 ONEPIECE FILMRED"の主題歌である"新時代"をDJ Shimamura氏の得意とするHardcoreにアレンジしたものになっており、踊らずにはいられない1曲になっています。
 特に、Dropに入る瞬間には一度ドラム部分を削り、音数を少なくすることにより、その先に待つ爆発を期待させる形になっており、曲全体を通しても構成という点で頭一つ抜けているという点でこの順位にさせていただきました。
 DJ Shimamura氏は他にもオリジナル楽曲やBootlegの作成、公開を行っておりそのどれもが一級品為、是非現場でも聞いてみてください。

第2位:Sincerely(osirasekita Remix)

 第2位にランクインしたのは、osirasekita氏(Twitter:https://twitter.com/rashio_takise)による"Sincerely(osirasekita Remix)"です。
 この楽曲は、TVアニメ"ヴァイオレット・エヴァーガーデン"のOPに採用されている楽曲をRemixしたものであり、第8位にランクインした"ワガママ MIRROR HEART(yuzen Remix)"と同じ「CLUB Lantis」第一弾アルバム"Remix the Future"に収録されている楽曲です。
 osirasekita氏の得意とするEmotionalなFuture Bassと本楽曲の切なさがうまくマッチしていて、osirasekita氏の作る楽曲の特徴として、曲の初めにAmbienceと呼ばれる音を使い、VocalのEQの高音域と低音域をカットすることによりノスタルジックな音に変化させるという技術をよく用いており、これが今回のヴァイオレット・エヴァ―ガーデンの時代背景を彷彿とさせる使用に仕上がっています。
 この"ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン"は、泣けるアニメとしてよく名前が上がる作品であり、作画・ストーリー共に非常に良く、未視聴の方は一度ご覧になってから、本楽曲を再度聞いてみてください。きっとまた新たな感動が得られると思います。

第1位:Light Colors(tonoyam Bootleg)shortv

 栄えある第1位に輝いたのは、Tonoyama氏(Twitter:https://twitter.com/tnoyama_X)によるLight Colors(tonoyam Bootleg)shortvです。
 この楽曲は、TVアニメ"CLANNAD 智代アフター"のOPとして使われた楽曲であり、原曲から既に根強いファンを獲得している楽曲です。原曲では、Lia氏の歌声も相まって爽やかな印象もある楽曲に仕上がっているのですが、本Remixでは、Tonoyama氏の得意とするDarkチックなHouseに仕上げられており、曲の冒頭部分からワクワクさせられるような作り、前半部分ではHouseらしさ前回の踊りやすさ、そしてDropで一気に上げてくることにより、DJだけでなくお客さんもしっかり踊りやすい仕様になっていて、聞いてるだけで自然と体動き出してしまうようなそんな1曲に仕上がっています。
 曲全体の構成、音使い、原曲の雰囲気をガラリと変えつつも、楽曲そのものの良さは失ってない総合力、全てをとっても他の作品とは比べ物にならないと個人的には思っています。
 これから先、Tonoyama氏の製作する楽曲に私は勿論ですが、皆さんも是非注目してみてください。

終わりに。

 さて、ここまで長々と書いてしまいましたが、まずは拙い文章でありながらお付き合いいただき誠にありがとうございました。
 最初にも記載させていただきましたが、今までインターネット上には様々なオリジナルやRemix楽曲が投稿されてきました。その中で"アニソンRemix"というのはほんのごく一部にすぎませんが、私はこのアニソンRemixという文化に大きく影響を受けた人の一人でもあります。この文化を少しでも他の人に伝わってほしいという思いから、日頃様々な活動をしています。
 今回挙げた楽曲は勿論ですが、今年製作され、世に公開されたアニソンRemixはそれこそ星の数ほど存在します。(皆さんが知ってて、私が知らない楽曲も当然あります。)そんな楽曲を、少しでもいいなと思ったら、その楽曲のコメント欄にコメントを残したり、Likeを押してみてください。それだけでクリエイターの励みになります。

 それでは、またどこかでお会いしましょう。ありがとうございました…!

 


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