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ベランダに閉じ込められた人に力を貸した話。

先日買い物帰りに、お隣のマンション2階の端のベランダから女性に声を掛けられた。
車の通る、ビューンと風を切る音で中々声が聞こえず、真下まで近付き話を聞くと


「ベランダに閉じ込められてしまったんです」

と言われた。


私、驚いた。本当に!

咄嗟に、「これってあれだ。洗濯を干してるお母さんが中に居る幼児に締め出されちゃうっていうやつだ。」と、思ったが、女性は40〜50歳くらいの人で、子どもによるものではなさそう?という印象。

話を聞くと

「同居人が自分が外に居ることに気付かず鍵をかけて出て行ってしまった。実の姉に連絡を取りたいが番号を忘れてしまったから、実家の母に連絡を取ってくれませんか?」

と言われた。
私もそれなりに慌てていた為、この内容を理解するのに「つまりこれこれこうで、こうしたいということですね?」というように確認を行いながら意思疎通。

言われるがまま番号を聞き電話をかけるが、出ない(留守電)


よくよく、落ち着いて考えると
その「同居人」に連絡するのが1番手っ取り早い。
ただ、その女性の見た目の印象(大人しそうなそこまで声を張れない、こんな事態だがそこまで緊迫感を感じさせずおっとりとした感じ)と、「同居人」という発言(普通であれば夫、が妥当か?)。
また、連絡先が真っ先に「同居人」ではないことと、「自分に気付かず鍵をかけて出て行った」という状況から


トラブル系では?!


という想いがよぎった。

となると急にこちらも怖くなる。
そして、こちらからは余り深く突っ込んだ話を聞けない。
でももしそうなら、私が見捨ててはこの人が危ない。


そんな想いや感情が一度にブワッと押し寄せた。

結局実家も留守電で、本人に警察を呼ぶか聞くも「待ちます」という返答で緊急性はそこまでない様子であることと、自分自身買い物後に家へ来る業者対応があったこともあり、とりあえず
「私となりのマンションなので何かあったらまた来ますね」と言い、その場を離れた。


無事来客も終え、約1時間が経った頃
やはり心配がよぎりもう一度道から声をかけてみた。
「○○さーん、いらっしゃいますか?」と。

そうすると、ヒョコッと○○さんが顔を覗かせた。
乗りかかった舟であるし、先の心配(深読み)もある。「本当に大丈夫ですか?」と無事を確認しつつも、どうにかしてあげたい、と同時に私もこの状況に早く安堵したい。

そこで、マンションの管理会社から「同居人」に連絡してもらう案を思い付き、本人に同意の元連絡を取った。

本人から管理会社名を聞き、マンションのエントランスに連絡先があったはずと言われ玄関へ周る。
比較的すぐに連絡先が分かり電話をし、状況を説明。
「○○スーパーの前のマンションで〜」と説明しながら、マンション名を探すもマンション名が見つからない。
「なんで表玄関に名前無いねん!?!」と半ば慌てつつ必死にロケーションを説明するも、まさかの他府県のコールセンターであり電話相手に土地勘無し(むしろ管轄外)

そんなこんなで必死に説明し、結局そのオペレーターから管轄の管理会社に連絡してもらい(中盤にマンション名も判明)、その「同居人」と呼ばれる、おそらく世帯主である人へ連絡を取ってもらうようお願いをした。そして、事が無事収まったら自分にも連絡を貰えるよう託けた。

それからまたベランダ下へ戻り、○○さんへも説明し、心身の緊急性の無い様子も改めて確認。
その場を離れようとした時

「お礼をしたいので部屋番号とお名前を教えてください」

と言われ、
今のこのご時世を踏まえ少し戸惑いはしたが、教えない訳にもいかず名を名乗り、その場を後にした。



それから約1時間半ほど後に、ピンポーンとインターホンが鳴り、先程の女性がそこには立っていた。
相変わらず声が小さく、何を話しているか所々しか聞こえないが、見て直ぐその人だと分かったので「どうぞ今開けますね〜」と言ったその時

「いえ、結構です。」

と、開錠を断れたのだ。


私、
😦!
思わずこんな顔になった。笑


元々、お礼をあてにしてたわけじゃない。
ただ去り際に「お礼をしたいので〜」と言われた際には、「あ、この人常識のある人だな〜」と思っていた為、流石にインターホン越しで終わりではなく、例えば家にあった日用品や普通のお菓子、はたまた目の前がスーパーなのでちょっとしたものを手にして来られるもの、(私ならそうすべきであるという考えであるしそうするものだ)と思っていた為、拍子が抜けた。笑


本人が無事であったことが1番であり、結果は本当に安堵した。

が、

こういう時こそ「人としてのレベル」が見えるな、とも感じた出来事だった。
歳だけで、見た目だけで、人は判断出来ないものだとも学ばせてもらった。


またその後少しして、知らない番号からの着信があり、きっと管理会社だろうと思い電話に出ると

「○○支社の★★と申します」

と、元気良く第一声。

いや、私は管理会社名から言ってもらわな隣のマンションの見知らぬ人の為に電話したんであって、わからんわ!と思いつつも「はい〜」と対応。

結局、○○さんから連絡があり、同居人が帰って来られて無事に出られたという旨の説明を受け、私も、「先程挨拶に来られたので知っています」と回答。
伝言ゲームが上手く伝わっておらず、私が家族?のような認識でおられ、「全く見ず知らずの、ただ前を通りがかった者です😂」と少し呆れつつも訂正をした。笑


乱文長文となったが、とにかく文章以上にハラハラとし、そして最後は???となる出来事だった。


最後に改めて
雨降って地固まり良かった。
そして大事な事に気付けた出来事であった。

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