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印刷の基本② 初心者編 印刷用データ入稿のやり方をマスターしよう


封筒や名刺、そしてカタログやチラシまで、ネットから誰でも印刷物を発注できるサービスはとても便利です。ただし、発注する側が印刷用データを作らなくてはならないのがプレッシャーですよね。
この記事では、はじめて印刷用データを入稿する方や、完全データって何? という方の不安を解消することを目的にしています。
「データ入稿のやり方 中級者編」と合わせてご覧いただくと、より理解が深まりますよ。
2031年に創業100年を迎える東京新富町の紙製品メーカー・山櫻が、入稿データのやり方をわかりやすくお伝えします。



【いまさら聞けない!】入稿データって何ですか?

ここからは、印刷するときのデータ入稿の基本的な流れをご紹介します。


データ入稿の「入稿」って何?

データ入稿とは、文字どおり「原稿を入れる」という意味で、印刷したいファイルをデジタル化して印刷会社に渡すことをいいます。

印刷データに必要なものは、テキスト情報だけではありません。
一般的に、入稿時には次のようなものが必要です。

・デザインデータ: 印刷する内容のデザイン/レイアウト
・画像ファイル: 高解像度の画像ファイル
・フォントファイル: (特別なフォントを使用する場合)

簡単に、データ入稿の流れをおさらいしましょう。

①データ作成: 依頼者は印刷物のデザインやレイアウトを作成
②内容確認: 作成したデータの内容や形式を印刷会社の要件に合わせて調整
③データ入稿:要件に合ったファイルを印刷会社に入稿

完全データ入稿とは?

完全データとは、印刷会社がそのまま印刷できる、修正の必要がないデータを意味します。完全データで入稿できれば、印刷プロセスがスムーズに進み、納期の遅れや追加料金を防ぐことができます。
何より、想定したイメージどおりの印刷物が上がってくるのが最大のメリットです。
ですから、印刷物の入稿をする際には「完全データでの入稿」を目指したいところです。
完全データ入稿時のためのチェックポイントは、次の4点です。

☑データ形式: 印刷会社の指定するデータ形式に合っているか?
☑解像度: 画像の解像度は300dpi以上か?
☑カラーモード: CMYKモードで作成されているか?
☑フォント: フォントは埋め込む、または、アウトライン化されているか?

データ入稿のやり方・初心者編

ここからは、ワードやパワーポイント(Microsoft Word/PowerPoint)をPDFに変換する入稿のやり方をご紹介します。
一般的なファイル形式から、印刷用の入稿原稿を作る方法になります。


ワード/パワーポイント(PDF)でのデータ作成のポイント

ワードやパワーポイント(Microsoft Word/PowerPoint)を使った入稿データのポイントは、次のようなものになります。

仕上がりのサイズを設定する
ワード/パワーポイントで、印刷物の仕上がりサイズを設定します。
これは印刷物の仕上がったときの最終的なサイズを意味します。

(必要に応じて)塗り足し設定をする
「塗り足し」とは、背景に色を入れた印刷物において必要な設定です。
印刷物は、最終的に四方を裁断して納品されます。この裁断時にズレが生じたときに白い縁取りが出ないようにするのが「塗り足し」設定です。一般的には、仕上がりサイズより天地左右3mm程度、外側に色を塗り足します。

余白(ノド)を設定する
ノドというのは、カタログなどのページものの印刷物でページ中央にある余白をさします。
このノドを含めた余白サイズも、設定する必要があります。
余白を設定することにより、印刷物の全体的な印象、見た目やバランスが大きく変わります。

PDFで保存してから、フォントを埋め込む
ワード/パワーポイントで作成したファイルは、最終的にPDFで保存して入稿データにします。PDFは印刷業界で広く使用されている形式で、印刷会社とのやりとりに適しているからです。
PDFに変換後、フォントを埋め込む設定を行います。この埋め込み設定をすることで、仮に印刷会社で取り扱いのないフォントであったとしても、文字化けなどのトラブルを避けることができます。

ワード/パワーポイント(PDF)で入稿データを作るときの注意点

ワード/パワーポイントはドキュメントソフトであり、DTP(デスクトップパブリッシング)ソフトではありません。そのため、トンボ(印刷物をカットする目印)や塗り足しの作成には適していません。
逆に考えると、ワード/パワーポイントで入稿データを作るときに向いている印刷物は、
・白地の背景
・ページものではない
・余白の多いデザイン
が、向いているともいえます。
そのほかの注意点は、次のようなものがあります。

修正がむずかしい
PDFは直接修正ができないため、修正が発生した場合は、再度、元のデータを修正してからPDFに変換する必要があります。

フォントに制限がある
 一部のフォントはPDFに埋め込むことができません。その場合は、別のフォントに変更するか、アウトライン化が必要です。

品質が劣化しやすい
変換設定によっては、色味や画像品質が損なわれる可能性があります。


以上、印刷用のデータ入稿は、ワードやパワーポイント、イラストレーターのほかにも、フォトショップ(Adobe Photoshop)やキャンバ(Canva)など、様々なソフトを使って作成できます。
詳しくは、それぞれのソフトには特有のやり方や注意点をご確認ください。
DTPソフト、イラストレーター(Adobe Illustrator)を使ったデータ入稿のやり方は、こちら(リンク)で紹介しています。
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「印刷用入稿データのやり方」まとめ

●完全データ入稿とは?
⇒印刷会社に修正の必要がないデータを入稿すること
●ワード/パワーポイントを使った入稿データの作り方 5
・仕上がりのサイズを設定する
・(必要に応じて)塗り足しを設定する
・余白(ノド)を設定する
・PDFで保存してから、フォントの埋め込み設定をする
●イラストレーターを使ったデータ入稿方法
・サイズとトリムマーク(トンボ)を設定する
・カラーモードはCMYKで作成する
●入稿データを作成するときの注意点
⇒ソフトの特性を活かして完全データ入稿を行う

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