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式場にお化けが出た話

今日は式場にお化けが出た話を書く。

その前に少し近況を記しておきたい。
去年、母が亡くなった。その後、仕事が忙しくなり、7日以上の連勤や休日出勤も増え、気力的に乏しい状態が続いていた。やりたくない、とか、後回しにしようとか思うことが増えた。noteの投稿もずっと出来ていなかった。が、今回のお化け騒動で記事を書く気になれた。

その日、すべての予定を終え、あとはお客様を式場から送り出すだけになったとき。ひとりのお客様がご家族と何か話されていた。少し深刻そうな様子だった。おや、と思い注意を向けていると「黒い影」「消えた」などと不穏な単語が聞こえてきた。
どうしても気になって「どうされましたか」と声をかけると、受付あたりに人影がいて、急に消えたのでしゃがんだのかと思って受付の机の後ろにまわって見たのだけれど、誰もいなかったというお話をしてくださった。二人の方が目撃したそうだ。
その話を聞いて、文字通り固まる私。
(この式場では出るなんて話聞かないのに )
なんて考えながら表情を強張らせたまま、何の応答もできずにいたら、他の親族の方が「受付の役目をしようとしてくれてたんじゃないかな」とフォローしてくださった。その後、なんとか無事にお見送りをして、式場の清掃に入った。人気がなくなり、がらんとした式場。頭の中では、先程お客様から聞いた話が何度も繰り返される。正直、とても怖かった。聖水を撒く? いや、プロテスタントでは、悪魔祓いなんて聞かない、聖水なんて見たこともない。クリスチャンとして塩は撒きたくない。会社の先輩に電話しようか、いや、面白がられるだけだろう。それに、もっと怖い話がきたらどうする。所属教会の牧師は何というだろうか、メールしてみようか、などと考えているうちに、清掃のパートさんが来てくれたので、私ひとりではなくなった。手分けして広い式場の清掃をしているので、パートさんの姿は遠く、心細いことに変わりはない。パートさんに先程あったことを話したとて、怖がらせるだけだと喋ることはできなかった。

モップをかけながら、そういえば今日私も黒い影を入り口で見て、お坊さんの袈裟の裾かと思ったら、誰もいなくて気のせいだと思ったんだっけと嫌なことを思い出す。

清掃も無事終わった。うす暗い倉庫に入るときにびくびくしたくらい。倉庫の中にパートさんがいて、かなり心臓に悪かったくらい。

笑い話にできるくらい守られたことに、感謝。


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