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私の中の龍 #4

【龍の存在を認める】

それからしばらくして、師匠からzoomのお茶会のお誘いがあった。

それはレイキの生徒さんたちのお茶会だったのだけど(師匠はレイキも教えている)、私にも声をかけてくれた。アウェイではあるけど、レイキとかエネルギーの世界にも興味があったので、喜んで参加させてもらった。


その会では、特にレイキについてお話をするというわけではなく、近況を話すに近い感じだった。それで私も気楽に楽しくお話を聞いていた。


その中である人が自分についている龍の話をし始めた。
それでその龍のエネルギーを皆にそれぞれ送るというのをやることになった。

レイキは「霊気」と書く。「気」すなわち「エネルギー」のこと。難しいことはわからないけれどとにかく、私たち人間も含めすべてはエネルギーでできている。そのエネルギーを送りあって、どんな感じのエネルギーか体感してみようといったことみたいだ。
それぞれが受け取った龍のエネルギーの感想を言い合う。温かいだとか冷たいだとか、私にはさっぱりだけれど、なんとか浮かんだイメージを話した。エネルギーの受け取り方は体感に限らず、私のようにイメージで受け取ることもあるそうだ。

そこで私も自分のところへやってきた白い龍の話をした。このとき私はまだ半信半疑だった。龍の存在そのものがどうのということではなく、私のところに本当に龍が来たということを、百パーセントそうだと思えていなかった。ただ私のイマジネーションの中で話しかけてみると姿が浮かんでくるので、たぶんいるのでしょうというような感じだった。

私もその龍の子のエネルギーを送ることになった。でも、そんな送り方なんてわからない。ただイメージの世界から、その子を順番に皆のところへ「行っておいで」とひょいっと行かせることくらいしか思いつかない。


その子はもうイメージの世界に登場するやいなや、私の許可もなくもう行ってしまおうという勢いだった。お母さんの手を放して、パーッと好奇心の赴くまま一目散にいってしまう子供のように、喜んでさっさと行ってしまった。本当にいつも通りの5歳児だ。


「ああ、いるね。」

まるでその子が手のひらに乗っているかのように、手のひらを画面に向けながら師匠は言った。その子の性格もこんな感じの子だと言われた。そうそうまだ子供で落ち着きがない子。私がその子のイメージから感じている性格と合致していた。


これで私はこの子はもういるということにしようと思った。目には見えないし、触ることもできない。だから信じない、納得しないということをやめにする。私以外の人がそのエネルギーを感じることができたということは、もうその存在のことを認めてもいいということにした。



「その子」とずっと言っているが、実は「その子」には名前がある。

うちに来てすぐに付けた。その存在がイメージやくぃとのおしゃべりの中に出て来る度にあれとかそれとか「白いお友達」というのもなんだから、便宜上名前をつけることにして付けた名前がある。

その名前は「小龍(こりゅう)」。

小さくて手足も短い小さな龍だったから。そのまんま適当に付けたのかと思われるかもしれない。発想は適当だったけど、もし本当にいてこのまま大人になっていくのなら、「小」を「弧を描く」の「弧」に替えて「弧龍」とすれば発音はそのまま同じだから良いのではないかというところまで、けっこう真面目に考えて「小龍」と名付けた。
ということで、この子の存在を認めたところでこの子の名前は「小龍」から「弧龍」となった。

続く……

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