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私の中の龍 #10

【黄陽の正体】

黄陽と出会ってからしばらくして、師匠から龍のエネルギーワークを受けることになった。
そのワークは、生まれた時から一緒にいる龍とつながるというものだった。誰にでも生まれた時から一緒にいる龍がいるというのが前提のワーク、これ以上龍が増えても、ますます扱いに困ってしまいそうなので、どうしようかとも思ったけれど、もうすでにつながっている龍である可能性もあるということだった。それならこれ以上増えないということもありうる。

とりあえずやってみようという感じで受けてみることにしたけれど、弧龍と黄陽には伝えておこうと思った。あなたたちに飽きたとかそういうことではなく、生まれた時からいる龍がいるのだとしたら会ってみたい気持ちがあるということを伝えたかった。

彼らの反応は言葉ではなかったが、いつもと違うキリッとした表情を見せてきた。いつもはリラックスした緩んだ表情ばかりでいたのに、いわゆる龍の絵画でよく見るような引き締まった緊張感のあるあの顔になっていた。何か気合を入れて備えているという感じがした。



ワークを受けながら、何か感じるものはないかと訊かれた。けれど、いろいろと浮かびすぎて、何かひとつはっきりとわからなかった。一体どんな龍が現れるのだとうかと気になって、あれこれと想像が膨らんだせいか、私のイメージの世界はぐちゃぐちゃだった。
それで、師匠に完全お任せで何だったか教えてくださいと頼んだ。師匠は意外だったと答えた。意外。そう聞いても私はピンと来なかった。意外な結果であるそれは、何なんだろうか予想がつかなかった。
「あの金の子」

「黄色ではなく、金?」

黄陽は黄色ではなく、金色だった。しかも私とずっと一緒にいた龍だった。

弧龍の友達としてやって来たけれど、それは私とともにずっといた龍だった。友達と紹介されることで、ようやく私と対面を果たすことができた。そして、このワークで自分が何者かを伝えることができたのだ。


師匠は私が自分を大切に愛することが苦手だから、代わりにこの子を可愛がって愛してあげるようにと言ってくれた。


私はこの子を胸のハートチャクラ、第四チャクラに住まわせることにした。普段は自由に飛び回っているかもしれないけれど、声をかける時は自分の胸に話しかけることにした。その近くには、私の魂もいる。

続く……

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