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私の中の龍 #5

【龍の成長1】

弧龍が来てからおよそ1月半後、京都で師匠に会うことになった。


新幹線の私の隣の席に弧龍は座っていた。

5歳児だった弧龍だったが、そのイメージの中で座っている弧龍の姿は小学6年生くらいに成長しているようだった。京都に近づくにつれて、弧龍のワクワクした気持ちが高まっていくようだった。その横顔はキリッとしていて、小学生から更に青年に成長しているようだった。恐らく、師匠に「龍結び」をしてもらえることを知っているからかもしれなかった。それを楽しみにしている感じだった。


「龍結び」は、自分の胸の扉から弧龍が入っていくイメージが印象的だった。とにかく落ち着きがなく「早く入っていくぞ! 」という感じで、おかげで順調に進んで終わった。

帰りの新幹線も隣の席が空いていたので、私の隣に座っていた。実際は誰の目にも見えないのだけれど、新幹線に白い龍が座っているなんて想像しただけでおかしかった。なんだか落ち着かないソワソワとした気持ちを一生懸命コントロールしながら、大人しく座っている感じだった。
降車駅に着いて、さぁ降りようとふと隣の席を見たら白いお腹の出たおじさんのような龍が座っていて、思わず「誰? 」と聞いてしまった(もちろん心の中で)。
そのおじさんも「誰って……」と困惑した顔で私を見た。
京都からここへ帰ってくる間にまた成長したようだった。これで完全に大人に成長してしまったようで、あの可愛かったころを思うとちょっとさみしい気持ちになった。

続く……

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