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くたかコラム:宮城ニワタリ神社巡り③

くたかコラム
 上海アリス幻樂団様が制作した弾幕STG『東方鬼形獣』に登場するニワタリ神、庭渡久侘歌について、あれこれ調べたり想像したりしたことを書き留めておきます。Twitterで呟いたことをまとめることも。

宮城ニワタリ神社巡り
 久侘歌についてあれこれ想像しているうちに「やっぱり現地に行って実際にニワタリ神社の雰囲気を体験することも大切なのでは?」と思い立ち、実際に行ってみました。
 巡ったのは宮城県内のニワタリ神社16社(+福島県内の2社)です。全6回を通して毎回3社ずつ、現地で気づいたことや想像したことなどを報告予定です。

 折り返しの第三回目でございます!

⑦二渡神社 石巻市竹浜

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 第二回目までは農地の中に位置しているなど、比較的平地に建っていたニワタリ神社が多かったかと思います。そこから変化し、沿岸部が中心となる第三、四回目の神社は、高台に神社が位置していることが多かったです。
 こちらの二渡神社もそんな神社の一つでした。写真だとちょっとわかりづらいですが、鳥居が低い位置にあり、その先に続く斜面の階段を上がると社がある、という形式でした。ぱっと見ただけだと鳥居しかない景色にも見えますよね。外からは社が隠れて見える、というのも沿岸部の神社に多い印象でした。
 沿岸部を走っているときに見かけた神社は、ニワタリ神社以外もこの形式が多かったです。

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 階段を上がった先の社の写真です。ちょっと全体がわかりづらいですね……。階段を上がった先の空間が狭かったため、神社の全体を写真内に収められるほど、遠方から撮影できませんでした。
 この神社は扉など色褪せていましたが、不思議と落ち着く空間で、気づけば長い時間滞在していましたね。謎のニワタリ力がありました。

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 高台のニワタリ神社だ! ということに感動して、階段の上から入口の方を撮影。階段の道中は山道を歩いている気分になるくらいには植物が息づいていました。
 社は結構高い位置にありました。見晴らしがよくって遠くの方まで見えます。
 神社の位置的には、漁師さんたちが暮らしている区域と、港との境のような場所に位置していました。家から海に出ていくときに通る場所ですね。家と海との境にある、という面は、農地と住宅街の境に神社が位置していた平地の神社と似ていますね。ニワタリらしさ?

⑧二渡神社 石巻市福貴浦

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 次はこちらの神社です。またまた『二渡』ですね。
 石巻や女川には『二渡』の名前のニワタリ神社が多かったです。海の近くには『二渡』の神社が多いようでしたね。どんな経緯があったんでしょう?
 沿岸部には、漁師さんたちの家が集まる地域いくつも点在している形でした。巡ってみた感じ、その集まりごとに一つの神社がある、という形式なのかもしれない……という印象でした。
 神社の種類も様々で、二渡以外にも神明社や稲荷、神社じゃなくってお寺などもありましたね。

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 拝殿の写真です。こちらも⑦の神社と同じく、建物の全体図を写せる空間が無かったため、比較的近くから撮った写真となります。
 社はちょっと色が抜けてる部分もありますが、赤を基調にして塗られていてすごく綺麗でした。芸術点高し。

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 こちらは階段を上がっている最中、植物に覆われた斜面を見たら木々に埋もれているように存在していた謎の祠です。本当に斜面の途中に建っているという様子で、祠の前まで行く通路なども無いようでした。できれば見に行きたかったんですが「さすがに危険だろうなあ」と断念。
 場所的にニワタリ神社の境内っぽい位置の祠なんですが、いったい何だったんでしょう?

⑨二渡神社 女川町大石原浜

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 ここは巡った神社の中でもかなり好きになった神社です。すぐ傍が海で、鳥居からちょっと歩くと海岸につきます。今回のコラムのトップ画像はその海岸で撮った写真なのですが、シンプルに風景で癒されていました。

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 こちらの社もお気に入り。巡った神社の中では比較的小さなサイズなのですが、それがまたミニチュアでかわいらしかったです。個人的な幻想なのですが、控えめで慎ましそうなのって久侘歌のイメージと重なりますよね。写真的には後光が射している感じになっているのが良きです。
 この社の後ろには、タイルを張り付けて作られた小っちゃな祠みたいなのもあって、こちらもかわいらしかったです……!

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 社の目の前はこんな感じ。やや広いスペースがあります。現地で見た時には「これは庭付きの神社だ……!」という印象を持ちました。なんか、庭渡って書くくらいなので神社の近くにも庭っぽい場所があるといいですよね(願望)。
 こちらの庭(仮)からは海を一望することも出来て、見渡の側面も持つ久侘歌にぴったりだなあ、なんてことを思っていました。

 というわけで第三回目はここまでです。今回は前回からそんなに間を空けずに書けたかな……書けたよね……?
 今回紹介している石巻・女川周辺のニワタリ神社ですが、宮城県立図書館で入手した資料によると、どうも「鶏を食べることは禁忌とされている」という風習が過去にあったようでした。
 その理由というのも、二渡神社では鶏が神聖なものとされているから、とする地域もあれば、なぜか昔から縁起が悪いと言われている、とする地域もあるようです。
 久侘歌の反鶏肉運動の成果なんですかね……?
 現地で入手できた資料については、またコラムのどこかでご紹介できたらと思います。

 なお、ここに挙げた情報は、あくまでも外の世界ではこんな記録が流れているよー、程度のものです。真実が何であるかは知る由もありません。
 あなたが幻を視る一助になれば幸いです。素敵な幻想郷ライフを。

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