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くたかコラム:宮城ニワタリ神社巡り④

くたかコラム
 上海アリス幻樂団様が制作した弾幕STG『東方鬼形獣』に登場するニワタリ神、庭渡久侘歌について、あれこれ調べたり想像したりしたことを書き留めておきます。Twitterで呟いたことをまとめることも。

宮城ニワタリ神社巡り
 久侘歌についてあれこれ想像しているうちに「やっぱり現地に行って実際にニワタリ神社の雰囲気を体験することも大切なのでは?」と思い立ち、実際に行ってみました。
 巡ったのは宮城県内のニワタリ神社16社(+福島県内の2社)です。全6回を通して毎回3社ずつ、現地で気づいたことや想像したことなどを報告予定です。

 沿岸部の後半、第4回目です。

⑩二渡神社 女川町横浦

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 海のすぐ横にあった神社です。周辺は再開発が行われている最中なのか、工事車両や真新しい舗装路が多かったですね。神社の周辺には住宅などはありませんでしたが、地蔵や祠のようなものなど、以前の地域の人たちの暮らしを想像させるものがありました。
 また、すぐ近くに『木村』さんという方の立派なお墓もありました。「これって神社なんじゃない?」くらいの雰囲気があるお墓です。偶然見かけた資料によると、この『木村』さんは女川周辺の築港をした一族らしいです。二渡神社が位置する村々と『木村』さんの繋がりもあるようで、『木村』さんの広がりと二渡神社の広がりにも関連性が見出せるのだとか。

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 こちらは鳥居から社に向かう途中の階段の写真となります。写真では伝わりづらいかもしれないのですが、この階段はここまで巡ってきた神社の中で一番急な階段になっていました。登るだけで大変。
 階段の途中や境内には、植物の木の実なのか動物の糞なのか、黒くて丸い小さなものがいくつも落ちていました。「え、もしかして何か野生動物いるの?」と思ってしまい、山中みたいな雰囲気もある階段だったので、ちょっとおっかなびっくりしながら進むことになりました。

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 こちらは社の写真です。高台にある神社恒例、スペースがないので遠景からの全体像が撮れない状態です。
 ただ社は、綺麗な朱色で塗られていて、大きく立派なものでした。倉庫らしきものも2つあります。
 狛犬はいないのですが、その代わりみたいに柱の装飾で狛犬っぽいものが彫られていました。また、写真では見えづらいのですが、柱の中心には鳥の装飾も彫られています。ニワタリっぽい。
 いろいろじっくり見て回りたい神社ではあったのですが、境内に入ると神社を囲む木立の方からガサガサと繰り返し物音がしてきたため、うひゃあこわいと早々に退散してしまいました。

⑪二渡神社 女川町高白浜

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 こちらは新しい住宅地を高いところから見守るような位置にあったニワタリ神社でした。この神社に向かう道中の道路も、まだ工事中の場所が多かったのが印象的でした。

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 鳥居も社も真新しいものでした。綺麗です。建築方法も、近代的な方法が使われているっぽいですよね。
 社の扉の上部は格子窓になっていて、中には賽銭箱と、氏子一同からの奉納品のようなものがありました。地域に暮らしている人たちの繋がりの場所になっているみたいでした。
 住宅地も神社も真新しいということで、いろいろと想い起すことの多い場所です。10年以上前には、また違った形のニワタリ神社と町がこの辺りにあったのかなと思います。
 ただ、以前の神社がなくなるなど、いろいろなものが変化してしまった後でも、こうやってまた新しい神社が建て直されている様子を見ると、形はなくなってもニワタリ神社を寄る辺とする人の信仰は続くものなのかなと思いました。
 ある意味、今回のニワタリ神社巡りの中で一番印象深かった場所です。

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 新しい社と鳥居の横には、昔からあるらしい鳥居と祠、石がありました。道祖神と山神の文字が彫られています。収集した資料の中には、ニワタリ神と山神、道祖神との関連性を考察したものもありました。やっぱり、ちょっとした関連はあるんですかね?

⑫二渡神社 女川町小乗浜

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 栄えた漁港町のすぐ近くにあった神社です。この神社も⑫の神社と同じく真新しい鳥居です。敷地はとても広く、階段も横幅がありました。町が活気だっていると神社もやっぱり活気だってくるんですかね。
 立地としては海と町との間に位置しています。境目に建つニワタリ神社、というよく見てきた特徴です。

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 社はコンパクトでシンプルなデザイン。けっこうかわいらしい。社の扁額は右書きで『社神渡二』となっていたので、これは昔からあるものみたいでした。戦前からあったのかな?
 鳥居や社、灯篭なんかは新しくて目立ちましたが、境内には昔からあったことを思わせる祠や石碑も置かれていました。樹齢の長そうなおじいちゃんの巨木もあったりして歴史を感じます。『水神』と彫られた石碑なんかもおかれていて、水配の神様としてのニワタリ神の側面も想像しました。
 広いし、新しいものも古いものもたくさん置かれているので、細かく見ていくといろいろな発見のある神社なのかもしれません。

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  こちらは上記の赤い社の裏手にあった草むらの写真です。
 よく見ると小さな祠の屋根のようなものがあります。何気なく置かれていたもので、たまたま見つけなかったら素通りしていたかもしれません。
 ゆっくりと色々見まわしてみるのも神社巡りの楽しさなのかな、というようなことを思いました。

 というわけで第四回目の報告は以上となります。
 今回の報告は、巡った場所に対して思うことが多くって、ちょっと書こうという気持ちをかためるのが大変な回となりました。
 いろいろ思ったことを好きに書いていますが、実際のところ神社の周辺で生活している人々がどういう営みをして過ごしてきたのかは想像もできません。
 ただ、いろいろな出来事があっても、様々な形でニワタリ神社は続いている様子を見たのかな、とは思っています。

 なお、ここに挙げた情報は、あくまでも外の世界ではこんな記録が流れているよー、程度のものです。真実が何であるかは知る由もありません。
 あなたが幻を視る一助になれば幸いです。素敵な幻想郷ライフを。

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