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【#45 飛行機note】 事故から学ぶ

#44のハイジャック事件関連に続き、今回は航空機事故のことを少々。飛行機先生から過去のジェット旅客機の事故について聞くことがあります。「00年の00航空00便の事故原因は...」という感じで世界各国の事故をよくご存知です。「訓練時に座学で事故について学ぶのですか?」とお伺いすると「訓練中に事故を教わること殆ど無いです。個人的に関心があって調べているだけ」とのご返答。さらに「旅客機の事故は人的要因がとても多く、原因の詳細を知ることで対策に繋がります」と。私のような飛行機ヲタクが事故を知るのと、現役機長さんが事故を知るのとは全く次元が違うのだと感じます。

ライト兄弟が初めてフライトに成功した1903年、それから旅客機が飛び始めるのは第一次世界大戦後の1920年頃。当時は命がけの旅だったと想像します。飛行機の耐久性や金属疲労のデータはなく、今のようなレーダーなどによる情報もなく、操縦するパイロットさんも命懸けだったのでは?と思います。そんな初期の頃から少しずつ事故に学び飛行機も進化して行きますが、どの時代にも事故は付きまといます。燃料の単位の違いにより必要燃料を積み込んだと認識して上空で燃料切れにより墜落、またコックピットに同席した操縦士の子供が自動操縦をオフにして回復できずに墜落という事故もありました。人的要因のミスといっても「そんなことが原因で?」思うような事故例もあります。

気象レーダーによる情報もGPSで位置情報もなかった時代、上空の悪天候や接触事故を避けることも苦労されたと思います。飛行機自体の性能の向上、それに伴う操縦技術の向上、様々な事故を想定しての訓練、そして航空路が過密になってからの管制塔のコントロール...関係する様々な技術進化と航空機の増加があり、安全は多くの要素が複雑に絡み合いながら向上して行きます。

ですが、「技術の進歩は目覚ましいものがあります。それに対して人はなかなか変わらないものです。人的な不安全要素を取り除く教育は近年よく行われています」と飛行機先生。人的ミスを回避するための訓練やコミュニケーション力が以前にも増して大切になり、訓練内容も様々な工夫がなされているとのことです。

航空機事故から学ぶ...「自分が安全に帰ってこられれば乗客乗員全員無事に降りられる」という飛行機先生の名言を思い出しながら、パイロットの皆さま、ソラのお仕事に関わる皆さまの安全とご無事を心から願っております。

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中部国際空港・セントレアへ向かう機内から、空港付近愛知県上空の様子。