【#4 飛行機note】 ダイバートって?
飛行機好きから偶然に飛行機先生に遭遇。以来、素人な質問を投げかけてたまに呆れられながらも丁寧に答えて下さり、飛行機への関心深まるSora*noteです。
今回はダイバート、英語でdivert、当初予定していた目的地以外の空港などに着陸することです。行き先の空港周辺が悪天候という理由が多いようですが、空港の封鎖や滑走路上の航空機事故、また機体の異常や急病人の発生など様々な要因があります。
私はそれほど飛行機の搭乗機会が多くはなくダイバートの経験はありませんが、出発地の空港で「悪天候により目的地を変更する可能性があります」とアナウンスされたことは度々あります。行き先で予定を詰め込んでいると辛いですが、安全第一!でも、海外の慣れない国で空港が変更になるとかなり厄介なようです。
今年(これを書いているのは2021年5月)もコロナ禍で一般人は海外渡航はできませんが、飛行機先生は月に2〜4回国際線でお仕事されています。海外でダイバートはたまにあるそうですが、ちょっと大変だった実例を聞きました。
フライトタイム10時間ほどの海外の空港、出発前の気象予報で目的地の空港は晴れ、適量の燃料を積んでいざ目的地付近へ行くと想定外の霧で視界不良、当面晴れそうになく燃料もギリギリ...止む無く一番近いローカル空港へ着陸して燃料を補給、数時間後に出発して目的地へ無事到着。ですが、何が大変て『日本の航空会社が就航していない空港』に着陸することなのだそう。自社オフィス(もしくは日本の他社航空会社)が無く、着陸や気象状況をフライト中に自分達で管制官へリクエストして燃料補給の依頼、出発時のリクエストなどなど細かい作業を短時間に完璧にこなさねばならず。加えて、日本出発時から操縦をしていたためダイバートして最終目的地へ向かうまで休む間もなく、24時間以上一睡もせずにコクピット内で分担作業。ロングフライトは機長2名、副操縦士1名で交代で操縦しますが、緊急時は交代できず神経を消耗する仕事のため心身ともに疲弊。それでも、数時間後に無事に離陸、当初の目的地へ着陸できてお客様を無事に降ろせてホッとした、とのことでした。
国内外のローカル空港は滑走路が短いところもあります。大きめの機種は長い滑走路が必要なため、短い滑走路の空港には降りることができません。万が一に備えて、目的地周辺の緊急着陸できる空港の確認も大切です。
海外でのダイバート、日本の運行管理部門が海外空港とやりとりすると思っていたので、ビックリでした。それでも「衛星電話が使えるようになってからは昔より楽になった」とのことですが...やはり空のお仕事は大変。ソラのお仕事に関わるお仕事の皆様に心からお疲れ様と感謝です。
何が起こるか分からないなら多めに燃料を積めば良いのでは...?というお話しは次の#5へ。