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世界の「女性×てしごと」を訪ねてVol.1~カンボジア・プノンペン~

旅する雑貨屋、そらとひとです。
旅する雑貨屋なのに、旅ができない今日この頃、、、

今年は移動ができないので、、、これまで訪れたてしごとの現場を振り返りながら、みなさまをてしごと旅にお連れしたいと思います。

わたしの「てしごと旅」の原点

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わたしは1980年代、父の仕事の関係で幼少期をドイツで過ごしました。休暇になると家族でヨーロッパ各地を車で旅するのですが、行く先々でその土地ならではの小さな手工芸品を自分で選んで1つずつ買ってもらうのが唯一の楽しみでした。ドイツにいるのは人生の数年だけ。日本に帰国したら、もう二度とこの国、この町には来られないかもしれない。さらに、てしごとは一点物なので、一期一会。インターネットもない時代。転校が多かった私は、ひととつながりができた瞬間に、そのつながりが切れる、そんな繰り返しの中で、何かとつながりつづけるために、そこにしかない、そこでしか出会えないものを子どもながらに丁寧に見極めて思い出として買ってもらっていたように思います。

女性が生きるためのてしごと

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結婚してシンガポールに住むようになったわたしは、アジア各地を旅してまわり、その土地ならではの素材、技法、デザインの手工芸品を集めるようになります。日本に帰国後も、働きながら年に2-3回、海外を旅し、各地の手工芸品を収集するのがライフワークに。そして、ある時ふと気づいたのです。特に途上国においては、手工芸品を作っているのはほぼ女性で、女性たちが生きるためにてしごとを作っていることに。

2016年、11年間勤めた会社を辞めたわたしは、日本の「女性×はたらく」をテーマに起業。同時に、世界の「女性×てしごと」を訪ねる旅に出ようと決めたのです。

あみぐるみで女性の経済的自立を支援

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2016年、会社を辞めてルワンダ、スイス・イタリアを訪ねた後、NPO法人very50の大学生・社会人向けプログラム「MoG※」に参加しました。プノンペン郊外の農村女性の経済的自立を支援するソーシャルブランドCambodia Knitsの事業成長を共に考えるプロジェクトに参加したのです。

貧困層で教育を受けていない女性たちは文字が読めないため、仕事に就けない。セックスワーカーになってしまう女性たちも。Cambodia Knitsでは、プノンペン市内に小さな工房を構え、女性たちを雇用。あみぐるみをつくり、外国人駐在員や観光客に販売することで女性が働くことの支援をしています。

※MoGは「60日間の国内研修(問題解決トレーニング)」と「10日間の現地ワーク」で構成された、 合計70日間におよぶ新型スタディツアーです。通常のスタディツアーとは違い、実際に起こっている問題の解決に挑戦し世界にインパクトを与えられることが特徴です。アジア新興国で活躍するチェンジメーカーと共にリアルな課題を通じ、自分たちで考え抜き、目標達成のためにやり抜ける力を短期間で身に付けていきます。(very50のサイトより)

誰も取り残さない社会に向けて

Cambodia Knitsは、プノンペン郊外の農村でも活動をしていました。農村の女性たちが内職で編む小さなサルのあみぐるみを定期的に買い取り、プノンペン市内で販売します。買い取り額はひとり、月に90-100ドルになり、男性たちが建設労働をするよりもよい賃金になるとのことでした。

女性たちは村の中央にあるコミュニティスペースに集まり、子どもを抱え、おしゃべりしながらサルを編んでいます。年齢層は幅広く、若い娘さんからおばあちゃんまで。中には、体が弱く力仕事ができないという若い男性もいました。

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サルの手にはマグネットが編みこまれているので、サルどうしをくっつけて飾ってもかわいいですし、冷蔵庫などに貼り付けて使うのもよし。

つくるひとによって顔の大きさ、表情も異なります。

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誰も取り残さない社会に向けて。
しごとがない農村地域で、女性たちが経済的に自立し、安心して生活していけるように。そして、その子どもたちが、将来に夢を持てるように。

Cambodia Knitsは、そんなビジョンを持ってカンボジアの「女性×はたらく」を応援していました。

社会課題はてしごとで解決できるのか

カンボジアでてしごとで課題解決をするソーシャルビジネスに期待を感じつつ、一方で、てしごとだけで課題は解決できるのだろうか、、、そんなもやもやした気持ちを抱えるようにもなりました。

ここから、旅する雑貨屋そらとひとの「女性×てしごと」をめぐる旅が本格的にスタートします。(つづく)

▼当時のスタッフとのみなさんと。

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