君は希望を作っている #41

 きぼうが休みの日に沙羽は亀のように遅いプログラミングの上達に、それが客観的にわからないので余計に苛立って、『kibou』を開いても前とは違うエラーと戦う意志を無くしたように解決策のサイトを眺めてばかりいた。
 そんな折、なにげなくtwitterで見た初心者OKのエンジニアグループに入れてもらって、Slackで参加し出した。
 会話を見ているだけでも勉強になる。
 沙羽はそこから勧められたサイトに飛んで行ったりした。
 そして少しずつプログラミング学習サイトも、そうでもないけれどコードを乗せたサイトを、また使い始め、見出すようになった。
 何か私も知識で役に立ちたいけれど、まだわからないことが多い。
 それでも、仲間もいる。
 小説だけれどアウトプットはしている、ブログに書くのとそんなに違わない。
 沙羽は以前作ったサイトの訂正にも動き出した。
 そして、twitterで見た他の人のサイトに、少しだけ自信を付けたのだ。
「もう、そろそろ何か作ろうかな」
沙羽はきぼうの休憩時間に言った。
「無理でしょ」
ひょいっ、やぁ、社長が手を振る、
「そんなことはないよ」
「だって希望作れている?」
沙羽はこないだ見た社長の目に、つい
「どうして淋しそうなの?」
と、関係ないことを口走ってしまった。
「淋しい?僕が?」
社長は笑ったが、沙羽は誤魔化されない。
「いつもあんなパーティー開くの?」
「うん、たまにね、っていうかいたよね?楽しかったでしょう」
沙羽は悲しそうに告げた
「社長みたいな人が出てくる小説知っている。華麗なるギャツビー……悲劇」
沙羽の何かを訴えるまなざしに、社長は笑って誤魔化すのを止め呟く。
「悲劇?」
「悲劇」
沙羽は寂しそうだ、社長はおどけて言った。
「ちょっと、勝手に僕の人生を悲劇にしないでくれる?」
「あ、うん、そうだね」
沙羽は慌て、社長は苦笑いをして別な利用者に声を掛けた。

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