パイロットの就活系情報の罠
「海外でパイロットになるにはどうしたらいいですか」
「パイロットに求められる資質とは」
そういう情報は、インターネットに出尽くしていると思います。実際に現役パイロットとして活躍されている方もたくさん発信をされていて、有用な情報もたくさんあります。
私も、パイロットになる前に情報を集めに集めました。フライトスクールの情報を集めて、グラフ化したりして遊んでました。
さらに月日を遡れば、2008-2009年にかけて自社養成に挑戦していた頃は、集めた情報と複数の航空会社で最終面接まで行って落ちた経験から、自分なりにこんなふうに結論していました。
今でもこの10年以上前の自分の結論はあながち間違っていないと思いますが、これはパイロットたる者の必要条件であり、自社養成に合格するための十分条件ではなかったので、結果的に自社養成試験には通りませんでした。そういう意味では、詰めが甘かったのかもしれません。
しかし、正しいかどうかは別として、いずれの例でも集めた情報を取り入れて咀嚼し、自分なりに結論を出していることは、もしかしたら少しは注目に値するのかもしれません。「みんな色々言っているけど、結局あんたはどう思うんだ?」そこにちゃんと落とし前をつけておかないと、あとでグラグラになります。
パイロットになれるかどうかは、運と自分の行動次第
当時はここまでソーシャルメディアが発達していなかったので、現役パイロットの方にラインで直接、というわけにはいきませんでしたが、それでもインターネットのなかった時代の人たちと比べれば、比較的簡単に情報を集められたと記憶しています。
しかし、結論はいつも一緒でした。
それは、私がパイロットになれるかどうかは、私の運と行動次第であるということです。
どんなにすごいパイロットの先輩も、あなたが実際にパイロットになることを直接支援することはできないのです。訓練をするのも、その金を払うのも、面接を受けるのも、シミュレータで実力を発揮するのも、上空で実際のエマージエンシーをハンドリングするのも、自分の人生の落とし前をつけるのも、ぜーーーーんぶ徹頭徹尾あなた自身なんです。
この、一見当たり前の大前提を、自分の中に確固としたリアリティをもってまず打ち立てることをおろそかにしてしまうと、いくら情報を集めても一向に前に進みません。自己啓発本を読んで、なんだか自分が賢くなった気持ちになって満足してしまうのと同じように、情報が最終的に行動に還元されなければ、豚に真珠というわけです。
私も含めて、現役で空を飛んでいる人間が発信する情報を、鵜呑みにすることは避けましょう。(と言った時点で、私のこの提案も否定しなければいけないわけですが。笑)
まず、現役で空を飛んでいる人が無料で流す情報が、直接、すぐに、自分の就職に役に立つと考えることは早計です。それは、その情報がどんなにフレッシュで具体的なものであっても変わりません。
以下の有料パートでは、昨今よくインターネット上で見る「パイロットになるには」的な情報に私が個人的に感じる違和感について説明します。ちょっとトガった表現をしているので、有料の鍵をかけますね。
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