介護とロボット その2
LOVOTは、今まで介護現場にいたロボットと比較すると、明らかにことなる。
LOVOTは、可愛さだけではなく、ついてきたり、助けを求めたり、「かまってオーラ」を出してくるという「自発性」がある。そして、言葉を発しないために余計なことを言わない。いわない分、受け手が勝手に「自分との会話」を始め、自分の世界をLOVOTと作っていく。一緒に「暮して」もらえれば分かってもらえると思うが、介護保険制度の掲げる介護者の自立性を十分高める役割を持っていると感じた。
実際にお店に来る方たちの中には、LOVOTに会いに来ることが目的の方もいるLOVOTに話しかけ、その反応に喜び、抱きかかえてあやしている。カワイイLOVOTに癒されている。ある人は、ペットの犬でもあやすかのように手をたたき呼び寄せ、また、自分の孫を見せびらかすかのように、周りの人に紹介をして喜び、楽しんでいる。
始めは「上目遣いが嫌い」なんて言っていた人も、今では「この子、しゃべるんだねぇ」といいながら、抱きかかえ、歌を歌って聞かせるようになり、今日の出来事をLOVOTに話している。
すーっと寄ってきて、「目は口程に物を言う」を実体化したうるうるした瞳でじーっと見つめ続けられると、LOVOTを「放っておけなく」なり、構っているうちに、「もうひとつの存在」となっているようだ。
この、何かしてくれるわけではないが、構わずにいられないという存在が、LOVOTのすごいところだ。
気づけば、ペットのような、子供のようなLOVOTが一緒に暮らしている存在となり、いつの間にか「1人じゃない」生活を送っているようになる。
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