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便りの向こうで元気なようで。


“カコン”

正直、直接は聞いていないのだけど、ポストにハガキが入れられた時にかすかになったであろう音を想像する。
約7500km旅してきたこの一枚のハガキのゴールは私の家のポストだった。ようこそ。

地球は一周4万kmと思えば、1/4にも満たない距離なのだけれど、それは地図上でみた時の話であって、仕事や生活やお金、それに加えいまのご時世を加味するとそれはそれは、それはとてもとても遠い場所からのお便りだ。

27歳秋、このとんでも状況をかいくぐり、友人が1人異国へ旅立った。

笑ってしまった。

コロナを「言い訳」にせず(言い訳どころか立派な理由だとは思うんだけど)目標としていた地へ一直線。

大学の同じ学部の友人なのだけど、この学部がちょっと訳あり。
誇り高き我々の学部名を言うと、学内でも「あぁ」と決してよろしくはない、苦笑いを含んだ相槌をつかれるような、少しぶっ飛んでいる人たちが集まっている。
卒業後も変わらず、そのぶっ飛んだうちの1人に、彼女ももれなく加盟した。

どうぶっ飛んでいるか、少しだけ話させてもらうけれど、控えめに言って「ちゃんと生きてるって」と、仕事や住んでいる場所ではなく、生存の報告でのみ、友人の近況を知ることが多い。
転職した、は当たり前。
海外にいるのも、そうなんだ。
結婚したは、ええまじか!

自分は少し変わっているんじゃないか、と時々思うことがあっても、学部の友人たちを知ると、はっ!!私ってなんて平凡なんだろう…と思い直させる。

でも、そうやって過去に囚われずいまを突っ走っているという、便りのない友人達の風の噂がとても私のエネルギーになる。
私にとっちゃ自慢したくなる様な生活や挑戦を、ごく当たり前にこなしていくのをみると、自分は小さいなぁとつくづく思う。

世界は意外とどこへでもいけて、仕事を変えたところで死にはしない。
頭でわかっていたって行動するのは難しいけど、友人が実践してくれているのを見ているとみなぎるものがやっぱりあるもの。

そんな、私の誇り高き学部自慢はさておき、便りが届いた。
さらさら綺麗な字を並べる気はないであろう、でも見たことのない海の香りが漂ってきてもいいような文(フミ)に、ムーミンの切手。

「フィンランドに遊びにきませんか?」と。
フィンランドってそんな場所だったっけ。
大阪とか北海道でも、こんな感じで誘われそうなのだけれど。
「コロナによる、隔離がなくなり次第行きます」
もはや意地である。
航空券代だとか、有給取れるだろうかとか、そういう現実を見すぎた計算をいまはくだらないと蹴散らしてみよう。

さぁ、どんな絵葉書を返そうか、とfromのアドレスを見ても名前しか書かれていない。
Google earthで遊べるくらいのアドレスのせてくれたって、誰にも居場所を言いふらしたりしないわよ?生きていることはわかったから、なにもみんなみたいに居場所をくらませないでよ。笑

なんて、きっと書く場所が足りなかったとかそれだけの理由だから、このnoteを読んだらきっとコメントをくれると思う。
ラインでエアメール届いたよ!っていうのは普通すぎて悔しいから。
もし1か月してもリアクションくれなかったら、ラインしてアドレスを聞くしかないけれど。

都内のOL、疲れ切った足取りで毎日開けるポストはどこかへ繋がっている様で、とてもウキウキしたよ。エアメール届きました。
dear〜私にも書かせておくれ。

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