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#キナリ杯 魔女の見習い

私の育った街に、ちょっと薄気味悪くツタやドクダミが繁り、白髪の髪が長いおばあさんが住んでいるあの家の人は魔女らしい、なんて噂はなかった。


アラームもかけずに休みの日の朝に目を覚ましては、欠かさずみていた魔女の見習いになるアニメがあった。
ホウキで空を飛べないことを私はもう知っていたけれど、多分、人の出入りがない怪しいお店へ足を踏み入れるロマンはこの頃に築き上げられたと思う。


いつしかジブリで1番好きな作品は?という質問は魔女の女の子が出てくる作品を答えるようになっていた。
海の見える港街へ漠然とした憧れを持つようになったけれど、私が住んでいる街は今も変わらず、車や電車の音が響く星もあまりみえない街だ。


学校の図書室で一冊の本に出会った。
いじめで不登校になってしまった女の子が、魔女であるおばあちゃんの家へ生き療養、修行をする話。
庭のラベンダーの上にシーツを干したり、お砂糖たっぷりのジャムを作ったりする魔女がそこにいた。



私の中で魔女はホウキで空を飛ぶことが全てではなくなった。


魔女はどうやら
季節を味わいながら、1日1日を素敵に生き方をしているようだ。


ツタやドクダミではなくて、ラベンダーが香るおうちで、
髪の毛は気分でピンクや青に染めたりなんかする。


ひとけのないお店はなかなか見つけられないけれど、
お気に入りの場所をみつけてボーッとしたり、時にそこは泣く場所になったりもする。


悪者を倒す戦いはないけれど、
食べてくれた人がホロっと笑顔になるように、お鍋でグツグツジャムを作る。


ホウキにラジオをくくりつけた旅はできないけれど、
リュックを背負って言葉も文化も違う街に時々でかけてみたりもする。
その場所が気に入ったら、住んでみるのもいいかもしれない。


これからもきっと私はいろいろな本を読むだろう。
まだまだいろんな魔女が隠れているから。
この前だって、夢の中にすーっと入ってくる魔女に出会ったばかりだ。



朝日と共に起きて、季節になる実を使ってジャムを作ったり、日記を書いて自分とお話をしたりする。


私の理想の生活は、まるで魔女のよう。
私はいま、魔女の見習い。


休みの日にアラームをかけなかったらお昼まで寝ちゃうし、
去年は梅を干すのをサボっていまもまだ塩漬けのままだし、
日記もnoteの更新で精一杯。


だけどね、



洗濯機のない旅先で早起きをして、手洗いした洋服を庭のブランコに干す気持ち良さも、
食べたいと思ったらすぐにつくれるスコーンも、
撮り続けてきた写真が残してくれている記憶も、
今日までの魔女修行の成果だ。


小さい頃から、テレビの中で魔女が活躍していてくれたおかげで、
私の将来の設計に明確な目指す場所ができた。


私は魔女になるんだ。


立派な魔女になるために、私は自分の人生を生きていく。
その過程は時に険しいこともあるだろうけれど、魔女になった時にそれを悟らせないことがかっこいい、そんな算段。


大きなカメでヒーッヒッヒッと笑いながら季節のジャムを作って、
真っ黒な洋服を来て、小麦粉が飛び散っているようなパンを作る日々。
その時に私が書く日記は、きっとたくさんの閲覧者がいる。
ラベンダーが香る家への訪問者は人間だけでなく、犬や猫もいる。
きっとそこは海も見える丘の上にあるだろう。


そうそう、魔女に大切な呪文。
ピーリカピリララ、トベ、アイノウ、いろいろあるけれど、
今のところお気に入りの私の呪文は「トリッカウィッカ(Triccawicca)」。


一緒に魔女修行してみない?
きっと今日という日がちょっぴり素敵になって、
人生がぐっと豊になると思うから。


私が影響を受けた作品名はあえて伏せました。
ふとした出会いを求める方への妨げにしたくなかったから。
でも知ってもほしいので、文中にリンクを貼っています。
手にするきっかけ、答え合わせに辿ってみてください。

いいねを押してもらえると、私のおすすめスタバカスタムがでます。カフェラテ以外が出たらラッキー!