見出し画像

食の風景「君が好きなきいろみどり、そしてあか」

旬を迎えた南瓜が美し過ぎやしませんか。半分に切った状態で断面を見せて並んでおりました。その多くは秋の彼岸に思い立っておはぎの南瓜あんとなりましたが、残りは元々食べたいと思った蒸焼きかぼちゃにしました。鉄のフライパンへ皮を下にして並べ、水を回し入れて蓋をします。じゅうじゅうじゅうじゅう、あっという間に甘い香りが漂います。水分が飛んだ頃に蓋を開けて焼き色を確認。こてんと向きを変えて、全体に火が入っていれば出来上がりです。味付け無し。それで良いのです。旬の南瓜は味付けいりません。甘く、香ばしく、ほくほくとして、まるで粋な秋のスイーツになります。

この日は他に豚ハツを酒、塩胡椒で焼きました。添え野菜は小松菜です。

更にもう一品、作り置きスープです。南瓜あんで使わなかった皮の部分や出始めの柔らかい白菜がふんだんに入っています。それから人参は欠かせません。仕上げには卵とじ。

極早生みかんも並べると、食卓はすっかり秋色です。赤、黄、緑。おや、今日の食事は緑黄色野菜がそろい踏み、どうりで色が良い訳です。それでは今夜も
「いただきます」

昼間ご飯をたくさん食べたので、この日の夕食にはご飯がありません。それにしても南瓜です。出来立ての、なんて香ばしい甘さでしょう!これは天麩羅にしても美味しいこと間違いなしです。北海道産の九重栗南瓜、又出会えるでしょうか。是非ともそう願います。

季節を順に味わえる喜び、食べられる幸せ。当たり前のようでいて、世界を見渡せば決して当たり前ではない日常です。

今日も美味しい食事をありがとう
「ごちそうさまでした」

                       文と料理と写真・いち

お読み頂きありがとうございます。「あなたに届け物語」お楽しみ頂けたなら幸いにございます。