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箸休め

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連載小説の息抜きに、気ままに文を書き下ろしています。文体もテーマも自由な随筆、エッセイの集まりです。あなた好みが見つかれば嬉しく思います。
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2021年3月の記事一覧

「本屋へ解き放たれたい」

 ここnoteでの売り上げを持って、大きな本屋へ出掛けたい。鞄には他に、携帯用のアルコール消毒と、布製の手袋を持って。電車の中ではマスクを着ける。口の周りの荒れに悩まされているから、内側には綿ガーゼを当てておこう。  久しぶりの本屋へ辿り着いたら、先ずは忘れずにアルコール消毒と、それから布製手袋をはめようかな。そうしたら、 「さあ、好きなように見ておいで」と随分本屋がお預けになっていた自分を本の海へと解き放つのだ。それで、新しい出会いを求めて、あっちの棚、こっちの棚と、縦横無

「門出の日。君に花束を贈ろう」

 数々の困難掻きわけて、仲間と、家族と乗り越えた、頼もしい子どもたちへ。会いに行けない代わりに、祝福の花束を届けるよ。  ―卒業、おめでとう―    今日は卒業式。晴れの日で良かった。生まれた時から知っている子どもたちがあんなに立派に成長して、一つの節目を迎えたなんて、本当に、大きくなったなあ。お花も無事届けて貰ったみたいで、良かった。素敵な日になりますように。                      いち

「作ればいいを実行するー達磨ー」

時を遡る事十二年前― 私は猛烈に自分の達磨が欲しくなった。赤くて丸くて顔が好みで倒れても倒れてもむくりと起き上がる子が断然欲しくなった。正確に云えば達磨さんである。そういえばずっと欲しかったんだと漠然と思い出したのかも知れなかった。早速探しに行こうじゃないかと決意して、方々店を回って歩いた。と云って、達磨ってどこにあるんだろうと思いながら、出先で色んな店に立ち寄っては出会いを求めて首動かすのだが、あったと思っても、コレジャナイと思う顔ばかりで、心が一向に燥がないのだ。私はお

「軸足は地球にのお話・紙の行方と水の行方」

「軸足は地球に」。 自分にとって大切なことと問われると、私は真っ先にこの言葉を思い浮かべます。これは数年前から私が、新しい年を迎えるごとに手帳の見開きに書いている一年の道標の様なものです。他にも一つ二つ目標と定めて書き記しますが、自分の根幹と云えばこれを置いて外にありません。 それでは一体どう云う意味なのか、今日は少し、真剣にお話をさせて頂きたいと思います。私は、全ての命は地球が存在するからこそ成り立っており、自分の命は生かされてここに在るものと常々考えております。地球あ