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浮世絵展に行って日本人の腐女子のDNAを感じてきた

森アーツセンターギャラリーの「おいしい浮世絵展」に行ってきました。
北斎や広重や国芳たちの「江戸の美味しいもの」が描かれている浮世絵で江戸の食文化や日本の今に続くてんぷらや鰻や寿司などを学ぶちょっと面白い浮世絵の見方で、ちょっと気になっていたのでした。
コロナで会期が延びたけれど、無事見に行くことができました。

特別協賛がくら寿司。そして音声ガイドは江口拓也さんの美声で浮世絵の世界を案内してくれます。オタ女子ほいほい。

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会場は基本写真撮影NGだけど、棒手振りの二八蕎麦の屋台が写真撮影OKでした(謎)棒手振りは江戸時代の屋台やさんです。
江戸時代は蕎麦がきからそば切り(いまのお蕎麦みたいな麺状の奴)に移行していく時期だったらしく、いろんなそばやが生まれたそうです。屋台→固定のお店 と人気のメニューは屋台から始まってお店へと変化を遂げていたそうです。そういえば江戸時代の握り寿司は一貫がおにぎり大くらいの大きさだった、というのは聞いたことあったのですが、お寿司は「重ねてお皿に乗せる」のが一般的だったのは新発見でした。押しずしの流れが残っていて、普通の握りなのに、魚のお寿司の上に卵のお寿司がのってててっぺんにエビの寿司、みたいな浮世絵を見て、ころん、と倒れて「あー」ってなった江戸時代あるあるを想像しました。お寿司とか天ぷらとか蕎麦がものすごく食べたくなる展示会なことは確実。

そして肝心な浮世絵。
浮世絵って「歌舞伎役者の書いてあるあれ」位の知識だったのですが、奥が深い…!描き手でもいろんな種類あるし、コンセプトや人気作品的なシリーズも多種多様にあるようでした。(フランスの当時の雑誌にのってた浮世絵などもありました)

今回は食にまつわる浮世絵ばかりだったのですが、江戸の人気のお店&そのメニューと人気歌舞伎役者の似顔絵(HANANKOとかDancyuかな?)が描かれた当時の人気シリーズがあったり、人気歌舞伎役者が花見など季節のイベントを過ごす風景が書かれている人気シリーズがあったり(推しキャラの誕生日イベントイラストとかクリスマスとかバレンタインとかのイラストあれ、好き)、人気歌舞伎役者の日常を勝手に描いたり(twitterで推しキャラの日常系4コマの尊いやつ描いてあげてくれる神みたいな人ほんとうまじで神)、何人もの人気歌舞伎役者があつまって酒盛りしてる妄想の浮世絵があったり(推しキャラと推しキャラとの話を描いたり書いたりするのpixivで定期的に漁ってしまうやつや)、人気がある歌舞伎役者の浮世絵(3枚セット)は3000部のあと5000部の増版(ということは24000部刷っている…)ってもう江戸時代じゃない刷り部数におののいてみたり、浮世絵を使ったうちわとか見てキャラのグッズかい!とおもわず突っ込んでしまうなど。
江戸100万人の街の中だけでその量を流通消化するっていうのはすごい。
そしてなんていうか、あれだわ、時代が変わっても我々やっていることはあまり変わりのないやつだったわ…って展示見ながらよくわからない達観した心境になったのでした。

ちなみに、番付表も展示されていて、江戸の人気醤油のお店の番付表があって「あ、これはランキングサイトのやつだな」って思いながらみていたら、今の「キッコーマン」と同じマークでキッコーマンの元となった醤油屋さんが書いてありました。昔からあのマークだったんだなあ、とちょっと感動。

あと、面白かったのが東海道の各宿場宿場の宿場町の名物を紹介しているパネルが美味しそうで楽しかった!東海道中膝栗毛を呼んであの作品はめっちゃ飯テロだなあ、と思っていたことも思い出しました。猫好き国芳による53次の猫パロディ「其のまま地口猫飼好五十三疋(そのまま-ぢぐち・みやうかいこう-ごじうさんひき)」も可愛かった…。

ちなみに猫スキー浮世絵に関してはこんな教えてくれるページがあります。いつの世も猫スキーさんはいる。そして絵心のある猫スキーさんの作品は素晴らしいのだ…。写真や動画のない時代だから特に猫浮世絵は猫スキーさんの心をつかんでいたんだろうなぁ…

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帰りに今回の浮世絵だけでなくレシピも載っている図録を買ったらカンロ飴をもらいました。
みたらしっぽい味のカンロ飴!最近みないなあと思ったけどまだあるんだー!

ちなみに江戸の料理を扱った漫画や小説があって


「東京神田で創作居酒屋を営む武藤銀次。店も料理も中途半端な銀次は江戸時代にタイムスリップ。将軍の料理番を務める兄弟と出会い、江戸のグルメガイドを作ることに・・」
居酒屋のにーちゃんが江戸時代を行ったり来たりして自分の店のメニューに取り入れながら江戸文化や江戸のご飯を学んでく「銀平飯科帳」美味し面白いです。

「神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!」
みをつくし料理帖はNHKでドラマにもなった小説です。江戸の食文化と上方(関西)と江戸の違いとか、澪を通していろいろな江戸料理が美味しそうに紹介されています。

面白いので良かった!みをつくしはドラマもおすすめ!あまぷらにあるよ!

ということで、めちゃくちゃお腹の空く浮世絵展でした。

(*'ω'*)サポートしてくださったものは次回のコミケの薄い本のために使わせていただきます!ありがとうございます!