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静かな失恋の痛み

昔からとても仲の良い男友達がいた。

私は男女問わず、
人に心を開くことに対して障壁がある中で、
一緒にいると安心できて、
何でも言い合えるような彼の存在は貴重だった。
そんな彼と段々と遊ぶ頻度も増え、
買い物に出かけたり、
きれいな夜景を見ながら散歩することもあった。

そして次第に、
将来この人と人生を送れたら…と思うようになった。
人を好きになることに臆病な私にとって、
その想いの変化もまた貴重だった。

最近彼が実家を出たと聞き、友人を交えたオンライン
飲み会で新居での暮らしについて尋ねた。

そうしたら、一人暮らしではなく、
同居のための引っ越しだったことを知った。

ただ静かな失恋だった。想いを押し殺して、
祝福することが精一杯だった。
胸の奥がただただ痛かった。

以前にチコちゃんの番組で、
「失恋のとき胸が痛くなるのは本当に痛いから」
という言葉を思い出して、これか〜と腑に落ちた。

この静かな痛みが、
いつか幸せを感じる時の糧になれば…と願うばかり。