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砂漠を読んでみて

伊坂幸太郎先生の『砂漠』を久々に読みました。
自分は大学生時代に伊坂幸太郎にハマり、その当時出ていたすべての本を買って読んでいました。そっからいまでも新刊を出たら読むのが習慣になっているくらいで、実家に帰った時に見つけた『砂漠』を最近読み返しました。

この本は大学生5人(東西南北+1)の登場人物たちのありそうでなさそうな大学生活を描いた一冊です。
最初読んだ時に自分も大学生だったので、感情移入しやすく、特に主人公に重ねながら読んでました。(伊坂作品でそういう読み方をするのはめずらしいかも)
大学生のモラトリアムと何とも言えない時間を過ごすことの大切さを絶妙な感じで描いています。

そんな本を読んだ感想としては、「社会人と同じくらい大学生大変だよな」でした。たしかに暇に見えるし暇なのは間違いないけど、彼らの社会にとっては重要な事件が並行していくつも走ってるし、その中のいくつかは人生を決めるくらいの出来事かもしれない。
ただ、その瞬間は無我夢中だし、全てであるということ。

なんとなく社会に出ると当時に戻りたくなったりする瞬間もあるけど、あの時はあの時でいろんなことに悩んでいたことを読みながら思い出しました。
試験に追われ、バイトに追われ、彼女と付き合ったり別れたりと、何かに常に悩んでた気がします。
ただ、いまそう思えるのはやっぱり目の前のことに無我夢中だったからなんだよなと思うと、振り返れることはよかったなと思います。

そんなことを考えながら読んでいると、登場人物たちもどんどん変化をしていきます。変わらず追えないのは間違い無くて、そんな中でも麻雀をし続けるのは変わりたくないということでもあるのかなと。人は一面では変化し続けるし、そんな中でも変化しない面も変わらずあると思う。

だから、彼らも30歳前くらいになっても1年に一回くらいは居酒屋で当時を思い出しながら、結婚とか家族な話をしているのかもなと勝手に妄想しながら読んでました。

学生時代に読んだことある人はなにかしら当時とは違う感情が持てる本だと思うので、久々にぜひ。

砂漠に雪も降る時代に。

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