見出し画像

P.S. I love you

一曲の歌が人生を変える事がある。
そんな経験をした事がありますか?
私はあります。
これも忘れたくない出来事なので、noteに記録。

ーーーーー

私は幼少期から物凄く涙もろくて本当に秒で号泣する人間だったのだけど、10年位前のある時期から泣かなくなっていた。
ある出来事がきっかけで、感情に蓋をしてしまったのだ。
それから感情がほとんどないまま生きてきた。
目の前にあるなすべきことをただ淡々となすだけの毎日。
悲しい事も苦しい事もあまりなくなった。
何故なら蓋をされた心は何も感じないから。
それは、生きていくための自衛手段だったのだと思う。
生きていくための手段だったのに、感情をなくした私はいつの間にか生きる気力も失っていた。
辛い事を感じなくなったのと引き換えに、嬉しいとか幸せとかを感じる気持ちまで無くして、何のために生きてるのかさっぱり分からなかったし、もはや生きていたいとも思わなくなっていた。
…このまま100歳近くまで生きるとか、地獄だな。
ずっとそう思っていた。
去年8月8日に、宮本さんに出会うまで。
(宮本さんとの出会いについてはこちらで書いています。)

《P.S. I love you》を初めて聴いた時、自分でもびっくりする位、涙が溢れて止まらなくなった。
この曲の何がそんなに私の心の琴線に触れたのか、今でも明確には説明できない。

雨の日傘をさすように 歩いてゆこう
ゆこう ゆこう 大人の本気で
さあ 立ち上がろう
I love you  I love you 悲しみの向こう
立ち上がれ がんばろぜ
バカらしくも愛しき ああこの世界
I love you  I love you いつまでも輝きもとめて
ああ愛してるぜ日々を P.S. I love you
《P.S. I love you /作詞作曲:宮本浩次》

ハンドタオルが涙でびしょびしょになる位に泣いて泣いて泣いて。
一つだけ分かったのは、とてつもなく優しくてたくさん傷ついて痛みを誰よりも知ってる人が、傘を差して自分を守りながらで良いから”もう一度立ち上がろう”って言ってくれてるって事。

…私はこの10年間待っていたのかもしれない。
色んなものが載っかって鉄のように重くなった自分では動かせない感情の蓋を、軽々とどこか遠くへぶん投げてくれる人を。
暗闇から自分を引っ張り出して光のさす方へ導いてくれる誰かを。何かを。

それが宮本浩次と、彼の歌だったのだ。

10年分泣いた私は、生まれ変わった。
心の中に淀んでいた10年分のどす黒い何かが物凄い勢いでザザザザーーっと流された後にキラキラと光る透明で清らかな水が満たされると、私の心の鏡に映る風景は激変してそれに呼応するかの様に周りの環境も変わり始めた。

これまで不平不満ばかりで気付かなかった毎日の中の無数の小さい幸せを、綺麗になった鏡は映し出してくれた。
自分の幸せに気付き、今まで仏頂面しか見せた事のない会社の同僚に笑顔で接する事ができる様になると、その好意は倍になって返って来て仕事環境は更に良好になった。
仕事が楽しくなると毎日が楽しくなり、それまでは疲労困憊して寝るだけだった週末に外出する気力が生まれて楽しい時間を過ごせるようになった。
今まで無気力に生きてきた反動からなのか、これからは全力で生きて人生を楽しむ!という強い思いが体中に漲ってきた。
その思いが更に楽しいことをたくさん引き寄せた。

宮本浩次の歌に出会って、わずか3週間でこんなにたくさんの事が起こり人生が変わった。
奇跡が起きたのだ。
中でもとりわけ「仕事が楽しい」と再度思えた事は、様々なものを犠牲にして働き続けてきた私にとっては泣くほど嬉しい事だった。

出会いから1年。
今でも奇跡は起こり続けている。
良い歌に感動して涙を流す事が出来るし、美しい風景を素直に美しいと思える。
たまに心の鏡が曇る時もあるけれど、そんな時は彼の歌がすぐ心を浄化してくれる。
この奇跡は永遠に起こり続けるのだ。宮本浩次によって。
そして感情に蓋をすることはもう二度とない。

…あの時、出会っていなければ。
今でもまだ死んでるみたいに生きてただろう。
死ぬまでそうだったと思う。考えるだけで恐ろしい。
本当に出会えて良かった。

一言、彼に伝えるなら。
”P.S. I love you"。
出会ってくれて、ありがとう。
あなたの歌は、私の人生を変えました。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?