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出会い~神様からのプレゼント

忘れたくない事を忘れない為に記録するnoteなので、忘れないうちに宮本さんとの出会いについて書いておこうと思う。

今からちょうど一年ほど前の土曜日、自分の部屋で見るともなくあるテレビ番組を見ていた。
”ライブエール~今こそ音楽でエールを~”という番組だった。
2020年8月8日。
50歳の誕生日から一週間ほどが過ぎた日のことだった。

ピアノ演奏が流れ、松任谷由美の『やさしさに包まれたなら』が始まった。
畳んでいた洗濯物から目を上げてふと画面を見ると、女性歌手に交じって髪の毛ぼさぼさの細い男性が、その外見とは裏腹に言葉をひとつひとつ紡ぐように丁寧に朗読するかのように歌っていた。
ほんの数フレーズだったけど、なぜか目が離せなくなった。
歌詞を忘れたのか、歌い初めに失敗したのか、髪の毛をぐしゃぐしゃにして、あり得ないほどの前傾姿勢で突然『…たなら~』から歌いだしたその人を見て、私は思わず微笑んだ。
次の『きっと』からではなくて、3文字でも早く、どうしても『…たなら』から歌いたかった真摯な人。
この人の歌を、もっと聞きたいと思った。

まだ知らなかったその人の名前をネットで調べ、生まれて初めて動画サイトを開き、当時の最新シングルであった『P.S. I love you』を聴いた。
そして聴き終わった時に、頬に温かいものがつたっているのに気付いた。
…気づかないうちに、泣いてたんだ。
歌から溢れ出る優しさがずっと我慢してきた傷にしみて仕方なくて、どうにも堪えることができなかった。
今でこそ号泣キャラだけど、それまでの10年ほど私は泣いたことがなかった。
ぽたぽたと頬を流れ落ちる涙に、自分で心底びっくりして。
そして、この時、私は理解した。

この出会いは、50歳の誕生日に神様がくれた最高のプレゼントなのだと。
…まさに『目に映る全てのことはメッセージ』だったのだ。


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