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◉【おもてなしに学ぶ】(茶道家メモVol. 24 東大寺② 鹿の恋詩)#56

“東大寺 南大門”

東大寺のある奈良公園には、たくさんの鹿がいます。

もともと、春日大社を創建する際に鹿島(茨城県鹿島神宮)から勧請した神様が白鹿に乗って春日山に入ったといわれています。

鹿は神の使いとして大切に保護されていて、国の天然記念物に指定されています。 

万葉集には鹿を詠んだ歌が多く収められているようです。


夕されば
小倉の山に
鳴く鹿は
今夜(こよひ)は鳴かず
寐(い)ねにけらしも


[直訳]
夕刻になると鳴く小倉山の鹿は今夜は鳴かない。すでに寝てしまったのだろうか…

[意訳]
妻を求める夫に重ねて、鹿が今夜鳴かないのは、大切な相手に出逢い幸福を得て安心しているのだろうか…。

(舒明天皇が詠んだ万葉の本歌とも言われ、雄略天皇が詠んだとも..)


愛おしい人を想いながらお茶淹れるのも素敵ですね。

お茶の世界観を紐解く茶道には自らを整えることにとどまることなく、同じ空間に同じ時を過ごす相手に対する配慮や相手に喜んでもらえるよう、茶人にとっても相手にとっても、一期一会の人格形成の旅路にある人間関係学だと思います。

おもてなしは心身ともに幸せになる為の人間関係学だと感じています。

あなたはどんなおもてなしをしていますか。

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