読書記録:光のとこにいてね / 一穂ミチ


『光のとこにいてね』一穂ミチ

本屋で陳列されている「たった一人の、運命に出会った」というキャッチコピーに惹かれ、購入。
男女の運命的な出会いの話かな〜とか思いながら読み始めたが、全然違った。よく考えれば直木賞候補なんだからよくあるような恋愛小説ではないはず。

育った環境も性格も全然違う2人の女の子の話。

自分と正反対の性格の人に惹かれるのは、自分自身の人生でもなんとなくわかるので、どちらの気持ちにも感情移入して、情緒が大変だった。
読み始めたら一気読み。

結珠と果遠がお互いにしかわからない関係性や、そこに他の誰にも入ってきてほしくない2人だけの世界観の描き方がとても好きだった。

初めて2人が団地で会った時の描写が、ワクワクする。
その後の関係性を知ってから読み返すと、さらにワクワク。
特別な瞬間は、いつ思い出しても記憶の中で景色が色づいていて、
そんな状況なんだろうなと思いながら読んだ。

最後、ストーリーのその先を知りたいと思ったりもしたが、
ずっとママに怯えていて、果遠に比べてどちらかというと行動力がなかった結珠が、自分の気持ちや決意を解放して果遠に向かい合っているのが、とても良かった。

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