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クマのプーさん

🖌A.A.ミルン 1926


📖ひとりの男の子が階段を降りてくる音。「パタン、パタン….。」男の子の後ろで手を引かれているクマのぬいぐるみが頭を階段にぶつけている音です。パパにお話をおねだりに来たのです。この男の子「クリストファーロビン」は「クマのプーさん」が出てくるお話が大好き。パパはプーさんのお話の中に、ちゃんとクリストファーロビンのことも出してくれる。100エーカーの森を舞台に繰り広げられるお話。個性豊かな動物たち。クマのプーさん、子豚のピグレット、ロバのイーヨー、虎のティガー、・・・・。

📎こんなに楽しいプーさんの本は実は二冊しかありません。「クマのプーさん」「プー横丁にたった家」(「クリストファーロビンのうた」「クマのプーさんとぼく」は詩集)。

📖「プー横丁にたった家」(1928)では、プーさんと100エーカーの森にさよならしなければならない。森のてっぺんにある「魔法の場所」でクリストファーロビンは、プーさんと約束をする。「ぼくが百歳(プーさんは九十九歳)になっても忘れない」と。100エーカーの森へ行けばいつでも会える友達。


📎どんな人の思い出のなかにも、ひとつは必ずそんな場所がある。いつでもそこへ行くことができる。「プーさん」は、時が過ぎても永遠に変わらないものを約束してくれたのです。変わらずにはいられない、すべての人のために。

📎「お話パパ」は、話し上手だったミルンの父ジョン・バインがモデル。
三人兄弟の末っ子として生まれたミルンは、父が経営するロンドンの私立男子校に幼い時から潜り込み、誰も解けない問題を「ぼく、出来るよ」と解いて見せるのが好きで、父ジョンのお気に入りの息子でした。
📎二十四歳で雑誌編集助手となり、ユーモア作家、劇作家としての地位を確立。息子クリストファーロビンの誕生をきっかけに、子供のための創作をはじめます。
📎「クマのプーさん」このお話に出てくる動物のほとんどが、作者ミルンの息子のぬいぐるみで子供部屋に住んでいました。またミルンは息子と一緒に、よく「アイッシュダウンの森(イングランド南部)で遊びました。ここが100エーカーの森のモデルです。原書では「100aker」(100acreの言い間違いです。)
この森の広さを表しています。わかりやすい単位に換算すると、約0.4平方キロメートル。十二万坪。・・・・東京ディズニーランドより少し狭い・・・・。


📎ミルンの子供の本は他にも詩集や短編集がありますが、児童文学作家ミルンの名を不動のものにしたのは、やはり二冊の「プーさん」なのです。

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