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ルドルフとイッパイアッテナ

📓『ルドルフとイッパイアッテナ』
斉藤洋 1987

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ぼくはルドルフだ。ルドルフといっても、外国人ではない。それなら日本人かといえば、そうでもない。・・・(中略)・・・ぼくは人間じゃないんだ。
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思いもよらぬ旅の始まり。長距離トラックに乗ってしまい大きな町の「江戸川」に運ばれてしまった飼い猫の僕。途方に暮れていると大きな野良猫に出会う。その猫は虎猫で名まえを聞くと
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「ハハハ、ほんとうにへんなやつだ。おまえ、名まえはなんていうんだ。」
「ぼくはルドルフだ。あんたは?」
「おれか。おれの名まえは、いっぱいあってな。」
「えっ、『イッパイアッテナ』っていう名まえなのかい。」
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ぼくはどこからきたんだろう。
ぼくの飼い主はリエちゃんていう小学五年の女の子なんだ。
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イッパイアッテナの世話になりながら元の場所に帰る方法を模索する。仲良くなった商店街の飼い猫ブッチーにイッパイアッテナの秘密を教えてもらう。凶暴な犬デビルとの戦いと武勇伝。そして何よりイッパイアッテナは日本語の読み書きができるのだと。飼い猫だった時に飼い主に教わったらしい。その飼い主が外国へ行ってしまったという。だからイッパイアッテナは僕に優しいのだ。イッパイアッテナは小学校に出入りして本を読んでいる。連れ立って教養を積む僕は、小学校の教師のクマ先生が見ていたテレビに声をあげる。・・・「さて、つぎは岐阜商業です。」・・・

イッパイアッテナ、ブッチーのおかげで帰る方法をが見つかった。
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ちよだ通り商店街🍁福引大セール
岐阜・犬山の紅葉と日本ラインへのバス旅行にご招待‼︎
特賞・・・10組20名様
バス旅行(1泊2日の旅)
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出発前、イッパイアッテナがデビルの騙し討ちにあって重傷を負った。旅立つ僕のためにシチューを手に入れようとしていたという。クマ先生に知らせて病院へ連れて行ってもらった。
出発の朝、ブッチーに声をかけられる。
バス乗り場はそっちじゃないと。間に合わないと。
僕が向かう場所は、そこではない。ブッチーもついてくるという。
僕らは・・・『ふたり四十七士』・・・なのだ。

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