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屋根の上のバイオリン弾き

1964年初演
原作 ショーレム・アレイヘム
脚本 ジョセフ・スタイン

帝政時代のロシア・ウクライナ地方の寒村で牛乳屋を営むユダヤ人一家の物語。

七人家族の
父親「テヴィエ」
テヴィエの妻「ゴールデ」
長女「ツァイテル」
次女「ホーデル」
三女「チャバ」
四女「シュプリンシェ」
五女「ビルケ」

信心深く、善良で働き者のテヴィエは、妻と五人の娘達と貧しいながらも幸せに暮らしていた。上の三人は、嫁入りの年頃。ユダヤのしきたりでは結婚相手は仲人を通じて決めるものなのだが、娘達は相思相愛の相手がいた。テヴィエは最初、娘達が勝手に結婚相手を見つけたことに激怒するが、娘達の愛情の深さを知って許していく。愛を認めたテヴィエは、自分達夫婦の愛をも見つめ直していく。そんな平和な一家が暮らす村に、帝政ロシアによるユダヤ人排斥の手が迫る・・・。

物語の背景には、帝政ロシアによるユダヤ人迫害があります。ユダヤのしきたりと新しい時代の波やロシア革命の足音などが描かれ、テーマ自体は重く暗いものになっています。

この「屋根の上のバイオリン弾き」というタイトルはシャガールの絵が元になっています。ローマ時代にユダヤ人虐殺があったとき、逃げ惑う人々のなか、屋根に登ってバイオリンを弾いていた人がいた、という故事を描いたもの。

1964年の初演時はヒットは無理といわれましたが、主人公テヴィエのユーモラスなキャラクターの魅力もあって大ヒットとなりました。日本版は、森繁久彌がテヴィエを900回も演じました。上條恒彦は7回。その後、西田敏行に引き継がれ、2004年には市村正親テヴィエが誕生しています。

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