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すばるの部屋・3回目〜俺ん家、寄ってかへん?~ @浅草 花劇場


2024年5月11日と12日。
江戸情緒あふれる、浅草の町。
週末、観光客の方々でにぎわう仲見世を抜けて、日本で一番古い遊園地、”花やしき” にたどり着く。
そこに隣接したライブハウス  浅草 花劇場(かげきじょう)。

看板代わりの大きな提灯が目を引く。
入場を待つ列のすぐ横をジェットコースターが走り抜け、歓声が響く。
そんな不思議で楽しい、おもちゃ箱の中のような会場だった。


「あー、なんか仕事のもやもやを引きずってる…明日、すばるくんの歌でぜんぶ吹き飛ばして、わたしに戻ろう。」
これは、「すばるの部屋・3回目」前日のつぶやき。

「たのしかったーーーー!!
 たのしかったーーーー!!
 最高でした!
 ありがとうーー!!
 ぜんぶ置いてきました!
 もろもろ吹っ飛びました!
 ありがとうございましたーーー!!」
これはライブが終わった後の第一声。


そんなライブだった。
すばるくんと会場のひとりひとりが思いを預け合い熱を分け合ったような、そんな幸せな時間だった。

すばるくんもずっと楽しそうだった。
史朗さんも茂木さんも健太さんも、みんな楽しそうだった。
すばるくんのゆるーいMCをニコニコと見守る眼差しも曲中に交わし合うアイコンタクトも。
その場所にいるみんなが心から音楽を楽しんでいることが伝わってきた。

ライブのこと

入場して開演を待つ。
SEで時折りすばるくんの歌声が聴こえる。
新曲かな?フルで聴いてみたい。
始まる前からわくわくする。

やがて時間が来て、すばるくんが一人で登場。
ステージ中央の椅子に座り、弾き語りで「キミ」を歌ってくれた。

優しいギターの響きと、伸びやかでやさしい歌声。アコースティックギター一本、究極のアコースティックライブ。
会場がすばるくんの声に包まれていく。
キミ」はきっと特別の誰かであり、誰でもないあなたであり…。
想い合うすべての人に向かう、今はそんなあたたかな歌になった気がした。


そして健太さん、茂木さん、史朗さんが登場。
「今日も、友達が来てくれました」
すばるくんはそんなふうに言っていた。


メンバーがそろっての1曲目は「7月5日」。
大好きな曲だ。
一昨年のツアーが終わった時は、なんとなくもうステージで聴くことはできないような気もしていたのだけれど。
こうしてアコースティックライブで歌い続けてくれることが本当に嬉しい。
アンプラグドの分、よりダイレクトに想いが伝わってくる。心に直接語りかけられているように、胸がぎゅっとして。そして静かに満ちていく。


続いて「風のうた
ライブではおなじみの曲。
アンプラグドの優しい声、優しい音。柔らかなハーモニカの響き。
後からすばるくんが教えてくれたセットリストの()但し書きのように、本当に(風優しめver.)だった。


4曲目の「スローバラード」の前。
すばるくんが話し出す。

(1日目)
「歌を歌うということと深く向き合うきっかけになった曲です。自分にとって大きな、大切な曲。人生で最後まで歌っていきたい歌です。今は、こんな感じです」

(2日目)は短くひとこと。
「感謝とリスペクトを込めて、歌います」

良かった。すばるくんの声が、史朗さんのギターが健太さんのピアノが、ライブハウスを夜の駐車場に変える。
心をわしづかみにされて揺さぶられて。
この歌を聴くと、いつも心がしんとして。この日も気づいたら涙が流れていた。


5曲目は「」。
歌い出しの前、一瞬の静寂。
この瞬間の緊張感、引き締まった空気が大好きだ。
アカペラで伸びていくすばるくんの声。
楽器の音がそれを追いかけて力強く駆け出していく。
そこからはもう止まらない。すばるくんの歌声と楽器の音は互いに追いかけ追い越してせめぎ合い、ラストに向かって、その先に向かって、どこまでも駆け抜けていった。

ところで、1日目の「
ラスト前の "チャッチャッチャチャチャ…" の手拍子のところ。
すばるくんがなぜか笑いを堪えている。
歌い終わって、その訳を教えてくれた。

「バラッバラやん。めちゃくちゃやったで。
あ、そやった(手拍子するんやった)みたいな。わかんないならやらないで。笑っちゃう、笑っちゃう…って思って(我慢してた)」

2日目の「」ですばるくんが笑った理由も、たぶんこれを思い出してしまったからだと思う(2日目はみんな心してスタンバイしていたようで、手拍子は前日よりも揃っていた)


続けて「ワレワレハニンゲンダ
アコースティックバージョン。すばるくんのセットリストの但し書きによれば "トライアドver."。
細い路地から息をひそめて現れるようなニンゲン。
浅草の町によく似合っていた。

次の「きになる」では
「すばるの部屋」ではおなじみの "与作"(ビブラスラップ)が登場。
1日目にはいたずらっ子のような顔で楽しそうに取り出したすばるくん 。
それを見てお客さんもそわそわ。笑
そして、満を持してビヨ~~ン、と嬉しそうに鳴らして。
終わった後でちょっと笑いながら
「そこで?(盛り上がるとこ他にあるやろ、みたいな)」
と一言。笑


次の曲は、まさかの「ペガサス幻想」。
聖闘士星矢の曲だ。
babu会で歌ってくれた時も驚いたけれど、アコーステックでまたこれを聴けるとは…!!SNSで言っていた "あの曲" はこれのことだったのかな?
すばるくんも、終始気持ちよさそうで。
歌い終わった直後にはガッツポーズが出ていた。笑

そして「ライオン
今回はギターを史朗さんに委ねて、すばるくんは歌だけで届けてくれた。
あの頃から歩き続けた時間、今、ここから続いていく道。
ライオン」は聴くたびにその時の心に寄り添ってくれて。
すばるくんの想いに胸がぎゅっとなって。でも、とても力をもらえる曲だ。

1日目 その後のMCで
「ゴールデンウィークですね」
と話し出したすばるくん。
「これ、聞いてほしいねん」
と、GWの一日、ある夜の出来事を話してくれた。

夜遅くコンビニに行ったすばるくん。そこに一組のカップルがいて。
どうみても今日初めて会った感じの、これから初めて彼氏の家に行く感じの二人。もやもやと(?)いろいろ考えてしまうすばるくん。笑
この時の口調が「…でな」「…でな」って。
友だちにしゃべるみたいに話してくれて。なんだか嬉しかったし、すごく可愛かった。
本当にすばるくんの部屋でお話ししてるみたいだった。
ちなみにこの話、締めの一言が
「ゴールデンやった」


そして
「ここからこの曲っていうのがもう…笑」
というすばるくんの言葉の後にに健太さんのムードたっぷりな鍵盤のイントロ、からの
トラブルトラベラ
最高でした!

この曲は間奏のセッションがいつも最高なのだけど、今回もやっぱり素晴らしかった。
ギターとパーカッションと鍵盤、そしてハーモニカ。
音と音、想いと想いがぶつかり合い、高め合って。どんどん熱くなっていく。


終盤。
「ここからラストスパート行くぞー!」
ギターをかき鳴らして、すばるくんが叫ぶ。

(1日目)
「しんどいことめんどくさいこと、いっぱいあるよな。
 楽しいだけの人生なんて絶対ないもんな。
 でもそれは真面目に生きてる証拠だから。
 そういうの全部ここに置いてけ!」

(2日目)
「しょうもない日常を送ってんだろ?
 俺もおんなじ、腹立つことばっかりだよ。
 せっかくみんな、色んなとこからここに来てくれたんだから。
 全部、ここに置いてけ!悔いのないように全部!」
そんな言葉をくれて。

「こんなもんかーー?
 まだ行けるかーー?
 まだまだ行けるかーーー?
 いけーーーーーー!!」

から「」へ。
「いけ!」「とべ!」
跳んで叫んで拳を上げて。めちゃめちゃ楽しい。

ギターソロのところですばるくんが叫ぶ。
「史朗さーーーん!」
そのコールに史朗さんがもっと熱いストロークで応える。


その熱のまま「爆音」へなだれ込む。
「バカになれよーーー!」
「悔いを残すなーー!
 暴れろ、あさくさーーーーー!」

大好きな ”初期衝動” の歌い方、
1日目はシャウトで
2日目はメロディーに乗せて。
どちらも熱かった。強かった。最高だった。

(2日目)
後半のギターソロのところで、
すばるくんが「オー!オー!オー!」と拳を上げて客席を煽る。
それに応えて私たちも全力で叫ぶ。
爆音」で初めてのC&R。
初めてとは思えないほど会場が一体となっていた。

曲が終わった時、すばるくんが感極まったように言う。
「最高……!あなたたち、最高です!」
そして照れたようにもう一言。
「…やればできるやん」

本当に、「池」から「爆音」の凄まじい熱と楽しさ。すばるくん自身の気持ちも上がっていくのがわかって、こっちもますますたかまっていって。
ぜんぶ出せた。最高だった。



歌い終わって息を整え、すばるくんが話し出す。

(1日目)
「僕たちは、こんなに素晴らしいライブを "つくる" ことができる!
 オーディエンスと一緒に、こんなに素晴らしい時間を "つくる" ことができる!…最後の歌です、『つくる』」
お約束の前振りから、あったかい空気のまま、やさしい歌が始まった。

(2日目)
最後の挨拶
「年を食ったせいもあるのかな、今、歌を歌うことが楽しいんです、とても。どんどん楽しくなってる。これからも変わらずに歌っていきます。じいさんになっても歌っていきます」
泣いてしまった。何より嬉しい言葉だった。
そして
「最後の歌です、『つくる』」

あたたかな声。あたたかな音。
すばるくんと史朗さんと茂木さんと健太さん、そして私たち。
ライブはみんなで "つくる” ものなんだ、と深く感じられた。


そして
「ありがとう!」
と一度はけて、アンコールで再登場。

「もう1曲だけ歌わせてください。最後はみなさんと歌えるといいなと思って。歌える人は一緒に歌ってください。」
と歌い出した「Sing」。

後半、コーラスをみんなで歌うところ。
(1日目)
「もっと、もっと~~」
嬉しそうにすばるくんが煽る。
会場中の大合唱を聴きながら、すばるくんは胸に手を当てていて。その歌声を心に大切にしまい込んでいるようにに見えた。その姿に胸がいっぱいになる。

(2日目)
思いついたように、コーラスをパートに分けて歌わせるすばるくん。
「じゃあ、2階だけでいってみようか。
 こういうの、やってみよう(嬉しそう)」
「じゃあ、男だけでー」

なかなかの間 ”男だけ” の時間が続いた。笑
男性のお客さん、頑張る。
周りのお客さんも盛り上がって応援する。
最期まで頑張りぬいた男性にすばるくんが一言。
「おまえ、モテるぞ」
周りから大きな拍手が上がっていた。笑

歌っている間中、すばるくんはステージを端から端まで歩いて会場いっぱいに想いを届けてくれた。
歌い終わりに
「愛してます!」
と伝えてくれた。
とても自然に、心から出たように思えたその言葉に。
泣いてしまった。幸せだった。

Sing」をみんなで歌える時が来て本当によかった。
そう、本当にみんなで。
この日、会場に来られなかった方がそれぞれ自分の場所で歌っていても、きっと歌声はここに重なる気がした。



(おまけのお話)
1日目、アンコールの「Sing」を歌い終わって皆に手を振った後、すばるくんはおもむろに
「ちょっと紹介していいですか?茂木くんのタオル紹介していいですか?
(と、パーカッションのところに行って、そこに置いてあったセーラームーンの絵が描いてあるタオルを広げて見せてくれた)
 …実は茂木くんのでした。彼はやっぱり可愛い人です。」

インスタグラムのストーリーズで「すばるの部屋」のリハーサル風景を「セーラームーン」の曲に乗せてすばるくんが見せてくれたセーラームーンのタオルは茂木さんのものだった、とばらしてくれるすばるくん。
仲良しだなあ。
すばるくん、そういうあなたもすごく可愛いひとだよ。


「すばるの部屋」とすばるくんのこと

回を重ねたアコースティックライブ、今回の浅草2日間も、最高だった。

「大きな会場で歌うのもいいけど、これくらいの距離感で、直接話せるような感じもいい。なかなかこの距離はないもんな。
日本中にライブハウスはいっぱいあるし、ホントにタイミングだから(磔磔もたまたま空いていたからできた)「すばるの部屋」はこれからも色んなところで続けていきたい」

すばるくんはこんなふうに語ってくれた。
この2日間、初めて来たという方も多かった。
このアコースティックライブが色んな場所で続いていって、たくさんの方が幸せな時間を感じられるといいな。

そして、これからのことも。
1日目のMCで
「何しゃべろうか……何かある?」と客席に問いかけて、お客さんから対バンのことを聞かれたすばるくん。

アイナ・ジ・エンドさんのことをジ・エンドさんと呼んで。笑
「あんなすごい人気のある方が一緒にやってくださるなんて…」
なんて言っていたが、まだお会いしたことはないそう。
「(対バンの)その日に初めて会ってジ・エンドになる」
なんて、オチまでつけてくれた。

赤犬さんとの対バンは
「楽しみですね」と。
短いこの一言に、たくさんの想いがこもっているように感じた。


これからのすばるくんが本当に楽しみだ。
babu会の時と同じように
「今年(の活動)は7月まで」
なんて言っていたけれど、きっと、間違いなく、7月以降も楽しいことがいっぱい待っている。
だってこれからいよいよ "第三章” が始まるのだから。

「すばるの部屋・3回目」。
本当にすばるくんの部屋に招いてもらったような2日間だった。
初日は初めから楽しさ全開でおしゃべりも多くて。
2日目はまったりと緩やかな雰囲気で。
その時の気持ちやテンションそのまま。
無理もしないし繕うこともしない、
ありのままのすばるくんを観せてくれた。
きっとそこには今の自分の在り方や、何より自分の音楽への自信とプライドがあるからこそ、なのだと思う。

ライブは本当に生きものだ。
その日その時だけの特別な時間。
同じ曲でも違う。昨日と今日でさえ全然違う。
だからまた、何度も何度も行きたくなってしまうんだ。

渋谷すばる という人間が大好きだ。
正直で熱くてやさしい、あなたから生まれる歌が大好きだ。ずっとそれに生かされてる。
だから
「歌うことが楽しい」という言葉が本当に嬉しかった。
「じいさんになっても歌い続ける」と言ってくれたことが本当に本当に嬉しかった。

すばるくんがそこにいてくれるなら、その歌を聴けるなら、
私は何度だって前を向ける。人生は最高だって思える。
すばるくんの歌が聴こえる場所にいつでも帰れる、そのことが心を強くしてくれて。
次に会える日まで、また自分の日々を頑張っていく力になる。
人に寄り添って生きられるように。
自分の想いをちゃんと叫べるように。

すばるくんに出会えて本当によかった。
そんなことを改めて感じた、熱くてやさしい、幸せな2日間だった。
ありがとう。愛してます。
これからもずっと。


すばるの部屋・3回目
セットリスト

2024年5月11日(土)  12日(日)  
@東京 浅草花劇場

1. キミ
2. 7月5日
3. 風のうた
4. スローバラード
5. 塊
6. ワレワレハニンゲンダ
 (アコースティックver.)
7. きになる
8. ペガサス幻想(聖闘士星矢)
9. ライオン
10. トラブルドラベラ
11. 池
12. 爆音
13. つくる

アンコール
Sing


ボーカル、ギター、ハーモニカ、”与作”
渋谷すばる
ギター 塚本史朗
パーカッション 茂木左
鍵盤 山本健太



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