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詩集 月光読書 弍

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何気なく思いついた詩を書いていきます。最初の月光読書はノベルデイズにあります。https://novel.daysneo.com/author/lunagon/
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2023年9月の記事一覧

【詩】愛し方を忘れた旅人は

愛し方を忘れた旅人は 風の吹いている方へ歩いてく 道すがら こんにちはとかおはようとか そんなセリフを唇からこぼし 口笛を吹いて歩いてく あなたが失ったものを 全てその背中に背負って これからも 生きていくつもりですか どうしてか 彼を追いかけ 彼を弾劾する人はなく ただぶらりと 砂漠に揺れる案山子のように 歩くだけ 愛し方を忘れた旅人は いつか いつの日か 必ずここへ戻ってくる 恋焦がれて戻ってくる

【詩】追憶

夢を追いかけ 夢に裏切られ 夢を憎み 夢を忘れてく そんな老いかたをしたくないと 若者は焦り空を求め羽ばたく 君の歩いた道は 君を追いかけてくる 君の去っていく道は 見知らぬ誰かの道となる 誰も悲しみなんていらないさ 誰も苦しみなんていらないさ ただあの頂きに登りたいだけ まだ見ぬ夢を追いかけていきたいだけ たとえこの身焼けても 二つの瞳で見つめたいだけ いつからだったか眠りの中 思い出したことがある 誰でもない 君が笑って近づいてくる姿を それが自分の最高の 幸せ

【詩】旅に出よう

旅に出よう 花束を持って 旅に出よう あの人に会いに どうしたって つまらない世界が 旅に出ることで 楽しく感じる だから旅が好きなのさ トランクに荷物を詰めて 明るい朝に出ていくんだ 旅に出よう 花束を持って 旅に出よう あの人に会いに あの風景たちに会いに⋯⋯