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講談社ゲームクリエイターズラボ 一次選考通過した企画書の制作過程を公開します

はじめに

私達そらまめゲームスは、スマートフォン向け脱出ゲームアプリ『謎と記憶のラビリンス』を開発中の夫婦サークルです!

今回、講談社が企画した「講談社ゲームクリエイターズラボ」に申し込み、二次選考で落選という結果になりました。

この記事では、一次選考を通過した際に提出した企画書の制作過程を全て公開させて頂きます!

もし記事の内容に価値があると感じて頂けたら、Twitter等でRTして頂けると嬉しいです!

講談社ゲームクリエイターズラボとは?

講談社によるインディーズゲーム開発者向けの支援企画です。年間1000万の資金援助や広告支援をして頂けるという内容です。

なぜ企画書の制作過程を公開するのか?

私達の方針は、ノウハウを極力公開することです。
今回、二次選考で落選という形にはなりましたが、講談社の方と面談した際に一次選考の企画書は高く評価を頂きました。

しかしこの企画書は、自分たちの力だけで作り上げたものではありません。
何人もの有識者の方に問題点を指摘頂き、心が折れそうになりながら作り上げた血と汗の結晶です。

完成状態の企画書を見る機会はあるかもしれませんが、今回は初稿から完成に至るまで、有識者による問題点の指摘を含めて、すべての過程を記録として取っていたため、これを公開することが他の方のお役に立てられるかもしれないと思い、公開させて頂くことにしました。

なお、この企画書は下記の前提の元で作成されています。

・講談社向けの新規企画ではなく、開発中のゲームを用いました。
・多数の応募の中から選んでもらうコンペ形式であること。
・一次選考通過を目的とした資料であること。
・全てを伝えるのではなく興味を持ってもらうことを目的とする。
・正解はありませんので、あくまで一例として参考になれば幸いです。

応募した開発中のゲーム

今回応募した『謎と記憶のラビリンス』は以下のようなゲームです。

最終稿 - 2020.11.03ver.

まず始めに、実際に提出した最終稿の企画書をご覧ください。

この最終稿に至るまで、色々な方にご意見を頂き、何度も何度も作り直してきました。以下に全ての過程と頂いたご意見を掲載します。

第1稿 - 2020.09.18ver.

叩き台として作成した企画書です。現状の仕様をまとめて、魅力ある企画に見えるようにしようとしました。
しかし頂いたご意見では、仕様の甘さをひたすら追求されてしまいました…。

■頂いたご意見
謎と記憶のラビリンス - 講談社GCL一次選考企画書 第1稿 ご意見

第2稿 - 2020.10.08ver.

前回から3週間ほどかけて作成したver.です。
新たなウリとして「縦スクロール漫画演出」を新規追加しました。
縦スクロール漫画システムについて
縦スクロール漫画システムのUE4実装解説
しかし頂いたご意見では、そのシステムの掘り下げ不足と、謎解きゲームとして魅力不足な点を厳しく指摘頂きました…。

■頂いたご意見
謎と記憶のラビリンス - 講談社GCL一次選考企画書 第2稿 ご意見

第3稿 - 2020.10.09ver.

ウリを縦スクロール漫画ではなく物語に変更し、企画書全体を通して、要素が極上の謎解き体験のためであることを重視しました。
しかし頂いたご意見では、ゲームがイメージ出来ないという致命的な指摘を頂きました…。

■頂いたご意見
謎と記憶のラビリンス - 講談社GCL一次選考企画書 第3稿 ご意見

第4稿 - 2020.10.16ver.

謎解きゲームの独自性として、記憶のカケラというシステムを検討しました。また、後半のページがだいぶ仕上がってきました。
しかし自分達で見直したところ、企画書では無く説明ばかりの仕様書になっていることに気付きました…。

第5稿 - 2020.10.19ver.

企画書の見やすさを意識してレイアウト修正と情報の取捨選択をしました。
頂いたご意見も見やすさの指摘などが主で、企画の根底を指摘されることは無くなり、ようやく完成が見えてきたような気がしました。

■頂いたご意見
謎と記憶のラビリンス - 講談社GCL一次選考企画書 第5稿 ご意見

第6稿 - 2020.10.22ver.

自信がついてきた所で、知人の現役ゲームプランナーさんに見て頂きました。読む側の視点を重視したご意見を頂き、とても勉強になりました。

■頂いたご意見
謎と記憶のラビリンス - 講談社GCL一次選考企画書 第6稿 ご意見

第7稿 - 2020.10.26ver.

これでFIXのつもりで、当初から最後の砦と思ってお願いしていた現役のベテランゲームプランナーさんに見て頂きました。
指摘されるまで全く気付かなかった致命的な問題をいくつも挙げて頂きました。やっぱり最前線の方は凄いですね…。

■頂いたご意見
謎と記憶のラビリンス - 講談社GCL一次選考企画書 第7稿 ご意見

最終稿 - 2020.11.03ver.

ようやく最終稿にたどり着きました。完成形だけを見ると気づかない点も、経過を見ると気づいて頂けたかと思います。
プロの方から見ると稚拙な点も多々あるかと思いますが、レイアウトや句読点の位置や言葉選びなど、隅から隅まで読み手に配慮して制作しました。

一次選考の振り返り

告知から締め切りまでの二ヶ月を全て企画書の作り込みに割いていました。
その甲斐あってか、無事に一次選考を通過することができました!ヤッター!!

今回の企画書制作では、以下のことを学びました。

・表紙はツカミ。サムネサイズでも目立つものを。
・1ページに情報は1つまで。
・読むことがストレスになったら記憶に残らない。
・登場人物など固有名詞は振り仮名必須。読む側への配慮を。
・全ての要素がゲーム体験に相乗効果をもたらすか。ちぐはぐでないか。
・複数人に見てもらって遠慮無い指摘を貰うこと。

これは全てのケースに当てはまる答えではありません。あくまでコンテスト形式の企画書で私が大事と感じたことを書き連ねたものです。

また、私達にはデザイナがいたため視覚的な強みがありましたが、初期の企画書のように読み手への配慮が足りない企画書では評価は低いですし、逆に絵が描けなくても読み手への配慮がしっかり出来ている企画書ならば、きっと勝負できるのではないかと思いました。

同じく一次選考を突破したぼるこふさん(@bolcof2)は、見た目の作り込みでなはく、企画内容と読みやすさで一次を突破されてますので、大変参考になるかと思います!

二次選考について(おまけ)

二次選考では講談社の方と面談をさせて頂きました。
内容については伏せさせて頂きますが、本企画の問題点として、「ゲームとしては平凡でシナリオ頼み」な印象を持たれていると感じました。

そこで、頂いたご指摘を元にゲームの仕様を更に深く掘り下げ、改善案を提出しました。

謎と記憶のラビリンス - 講談社GCL二次選考企画書
 ※ボリュームが大きいのでご興味がある方のみご覧ください(^^;)

二次選考の振り返り

二次選考の結果は落選ということになりました。落選理由について詳細は把握していませんが、自己分析したところ、以下の点が問題だったのかなと思います。

・大幅な企画内容変更によって、企画がブレている印象を持たれてしまったかも。
・上記の企画変更と過去実績の無さから、開発期間の信ぴょう性が低い。
・肝心の謎解きの面白さが文面から読み取りづらい。
 →完成図のイメージが不鮮明

私達のゲームの面白さはシナリオと謎解きにかかっていて、それらはいくら口で説明しても、聞き手一人ひとりの想像に委ねられてしまいます。つまるところ、シナリオと謎解きの面白さを体験できる1ステージ分の体験版の用意が必須だったということになります。

しかしそれは選考期間中に用意できるものではなく、結論として現在の進捗状況では価値を伝えられる完成度ではなかったということが今回の根本的な落選理由だと思いました。

今回は講談社さんとはご縁がなかったということになりますが、お陰様で企画の骨子が固まり、本気で作りたい&届けたいと思えるものが出来ました。得るものが沢山あった企画でしたので、このような素晴らしい企画を立ち上げて頂き感謝しております!悔しいけどね!

フォローとRTのお願い

さて、これで私達が半年かけて取り組んできたコンペ企画のノウハウは全て出しきりました。

もしこの記事に価値があると思って頂けたら、どうかTwitterのリツイートで拡散して、多くの方にノウハウを広めて頂きたいです!


私達は講談社ゲームクリエイターズラボには落選しましたが、『謎と記憶のラビリンス』の企画は必ず完成させ、皆さんに「極上の謎解きと心に残る物語」を必ずお届けします!

そう遠くないうちに体験版を公開する予定ですので、是非そらまめゲームスのTwitterアカウントをフォロー(@そらまめゲームス)して頂き、最新情報を追って頂けると嬉しいです!

最後に宣伝

講談社ゲームクリエイターズラボに落選したことで、私たちは再び資金不足に陥ってしまいました…!

そらまめゲームスでは、開発の支援をして頂ける方を大募集しております!
メンバーになると企画書や仕様書など全ての資料の閲覧や、開発中ソフトを触ったり、Slackグループでご意見や雑談など参加していただくことができます。

pixivFANBOXとCi-enにて募集しておりますのでこちらもよろしくお願いいたします…!


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