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市民農園のセルフ土壌診断(PH,窒素・リン酸・カリ編)

 2022年度の市民農園は無事抽選通過。まずまずのロケーションの区画でした。

 周りの区画を見渡すと、あきらかにファミリー層が増えている。ここ2年くらい前からの傾向です。こことは別に体験農園もやってますが、同様です。ステイホームの影響のようですね。今後競争率が上がりそうだ。

 で、今回も区画の土壌診断をやりました。前回はやたらとPHが高くて驚きましたが今年はどうか。

PHの測定

土1:水5で溶液を作り、測定器で測定。

PH7.2  …
前回(PH7.8)ほどではなかったものの、やっぱり高いよな。
土の表面をみてみたら、苦土石灰と鶏ふんが撒かれている形跡があり、メンテナンスのつもりで余計な事してるんじゃないかとの疑いが。

 前回の区画は、一帯に青枯れ病が発生してました。突然野菜がしわしわになって枯れてしまうという症状です。PHが高いのと無関係ではないのではないか?
 そらまめが枯れちゃったし、里芋の大きな葉っぱが突然枯れ落ちたときにはビビりました。えひめAIとかいう微生物資材を作って撒いたら持ち直したんですが、もうこりごりです。今年は大丈夫だろうか。

窒素・リン酸・カリの測定

土壌診断キットにて測定。紹介も兼ねてちょっと詳しく書いてみます。

溶液抽出

 土と水は1:5の割合。Floc-EX(沈殿-抽出)タブレットを入れて良く振ります。

Floc-EXタブレットの成分は以下の通り

・硫酸水素ナトリウム
・結晶セルロース
※どちらも純度が高いものは食品添加物として使われる安全なものです

  野菜の根は、根酸という酸(PH2~3)を出して土壌の養分を溶かして吸収します。

出典:土づくりのススメ - 深掘!土づくり考
Vol.7 根とその周辺で(根圏)で起こっていること
https://www.yanmar.com/jp/agri/agri_plus/soil/articles/07.html

 水だけだと、根酸で抽出されるであろう成分が出てこないので、根酸の代わりに硫酸水素ナトリウムを使っています。

結晶セルロースは、溶液中に浮遊している土の粒子を沈殿させる役目。土と水を良く混ぜた直後は溶液が濁っているので、透明になるまでの時間を短縮できます。

抽出できました。

試薬と混ぜて発色させる

後は、チューブに溶液と試薬タブレットを入れて、よく振って混ぜます。

窒素・リン酸・カリ

Floc-EXと同様のタブレットです。

窒素とリン酸は、成分と反応して発色し、その色の濃さで判定します(比色法)。窒素は赤、リン酸は青。

カリは、成分と反応して濁りを発生します。その濁りの濃さで判定します(比濁法)。色は白。

測定してみると色はこんな感じ。

結果はこんな感じ

窒素:ほとんどない
リン酸:十分
カリ:多すぎ 

栽培前なので、窒素がほとんどないのは特に問題ない。
注意点としては、測定できる窒素は硝酸態窒素、肥料が微生物に分解されてできる窒素です。ので、ここで測定される窒素が畑の全ての窒素分ではありません。

リン酸はおそらく十分、なにも入れなくても育つのではないだろうか。
カリはちょっと多すぎですね。

施肥方針

以上の測定結果を受けて、今春の施肥方針は、

窒素:野菜の生育に応じて投入
リン酸:入れない
カリ:入れない
石灰:入れない

となりました。


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