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【短編小説】にじむ空

センチメンタルが襲ってくるから年度末は嫌いだ。

好きな人だけが課から居なくなって、嫌いな人だけが課に残ってしまった日の帰路、寄り道したくて知らない道路をうろうろしている。

あと一週間後の四月の自分が想像できなくて嫌になる。

落とし穴でもあって、気がついたらその穴に落ちてくれたらいいのに。

そう思いながら、にじんだ空を仰いだ。



おわり


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