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房総半島をママチャリで一周した話

中学生のゴールデンウィークの時に
友人数人と自転車(ママチャリやマウンテンバイク)で
住んでいる千葉県の房総半島
(千葉県の中央より下側)に自転車で行ってみよう!
という事になり慌てて支度をした記憶がある


わたしのマウンテンバイクには
後ろに荷台をつけていたので
個人用のテントとマットと、ガスコンロと燃料と
他にも考えられる装備を荷台にくくりつけて
ワクワクしながら集合場所まで急いだ

友人は3名 みんなママチャリ
前かごにリュック一つ積み込んで集合していた
軽装すぎる荷物に驚いたが、私の自転車にはギヤがたくさんついているからハンデ”という事でスタートする事となった
特に宿泊する場所等は決めずに
一日目は勝浦という外房(太平洋側にある街)のキャンプ場までいけば何とかなるでしょ と怖い物知らずの、
出発前だからこそ 言える計画性ゼロの集団だった

わたしが住んでいる千葉県には大きな山という山はない
けど、東京湾側から太平洋側に向かうには
それなりの上り坂を超えていかなければいけない 
実際の所 永遠に上り坂 少し下ってまた上り坂、そして小雨が続いた 
ママチャリにはギアも付いていないから
重いペダルで消耗し
マウンテンバイクにはギアを軽く出来る
けど、荷物がたくさん積んであるから
ペダルを回しても回しても進まずに
体力だけが消耗していった

いくら体力がありあまる中学生とはいえ、みんな寡黙になっていた

海が見えるわけでもなく、

見晴らしのいい景色もなく、

小雨に降られ

エンドレスに続く

坂道というイメージしか印象が残ってない


結局、勝浦まであと数キロのところで
薄暗くなっていた為、
みんなで地図を見ながら、
とりあえず近くのキャンプ場まで急いだ
運よく、キャンプ場で温かい食事もとれて
持参したテントで宿泊する事ができた
テントの雨漏りが凄かったので、
夜中に一つのテントに皆でぎゅうぎゅうになってすぐに意識を失って爆睡していた



翌朝は昨日とは打って変わって晴天だった。
しかも勝浦からは
海沿いを走るコースだったので 
気分も高揚し皆でワイワイしゃべりながら
あっという間に、日没になった

この集団 毎度太陽が沈むまで何も考えてない 

昨日と同じく地図帳を見るが

この辺にはキャンプ場もなければ

宿泊施設的なものもみあたらず

暗闇に波の音だけが聞こえていた。


さすがにヤバさを感じた集団は、

唯一明かりのついていた

漁港センター的なところに、

事情を説明して宿泊施設がないか聞いてみたところ

若い職員のお兄さんが、

「うちで良ければ泊っていきな」

と言ってくれた

お兄さんが仕事が終わる前に少し離れた自宅まで

お兄さんに渡された

手書きの地図を見ながらお邪魔させてもらった

泊る所もない状態のノー天気集団が、

今夜も運よく寝泊りできる場所を確保する事ができた。


が、お兄さんの自宅に入った瞬間、

ノー天気集団の表情は曇った。


部屋中に読みかけの大人の本や

ゴミがあふれていた。

これまで、行き当たりばったりな行動をとってきた中学生だったが、

考えている事は皆同じだったようで 

「もう少し他をあたるか」

「なければ野宿した方が良くないか?」

と本音が漏れ 

異議を唱える者はおらず

次の瞬間には

再び波の音だけが聞こえる暗闇に戻っていった。


長くなったので続きは続編で



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