「敦盛の最期」
中2のむすこは常に所用で忙しい。
一緒に買い物なんかほとんどついてこれない。
小さい頃はあんなに「おかいものいっしょにいく、はやくいこう」って言ってついて来てたのにね。
それがこの間、欲しいストレッチグッズがあると言うことで、ダイソーと西友についてきてくれました。
ダイソーにはそれほど種類はありませんがツボを得たストレッチグッズが並んでいます。
その一つがむすこが求めているものがあってそれを購入しました。
そのあとは、そのまま西友に連れて行かれて荷物持ちをしてもらいました。
むすこと一緒に買い物に行くなんて年に1回あるかないかです。
とても助かりました。
「熊谷(くまがい)の戦争の話知ってる?」
そんなむすこ。家に帰る途中こんな事を言い出します。
「熊谷(くまがい)の戦争の話知ってる?」
「"くまがや"じゃなくて?」
「違うよ。"く・ま・が・い"」直されてしまいました。
戦争って言うので、さきの大戦かと思ったのですが、よく聞くと「古文だ」とのこと。
ピンと来た妻はこう言います。
「あ~、平家物語のね。"敦盛の最期"だね。」
「そうそう、平家物語。かわいそうなんだよ。あれをね学校で覚えて発表したんだよ。」
「原文のまま?できた?」
「もう今は途中までしか覚えていないけど、できたよ。」
そして、覚えている範囲を暗誦してくれて、内容も教えてくれました。
「敦盛の最期」
「敦盛の最期」って言うと、それまで笛を吹いたり良い生活をしていた美少年と言われていた平敦盛が、17歳ぐらいの頃一ノ谷で負けて逃げるところを熊谷次郎直実と言う源氏方の武将に首を取られると言うお話で、平家物語の中でも人気のある一節であって、ぼくもこのお話は印象に残っています。
アニメの「平家物語」でも描かれていました(泣くよ(>_<))。
学校では源氏から見たものしかぼくは習っていなかったので、一ノ谷の戦いは義経の奇襲が大きく取り上げられていて「ほうほう、すげーな義経」と言う印象が強かったのですが、後に源氏方の熊谷さんと平敦盛くんとこんな言われがあったのかと、お話なのでフィクション入ってると思いつつ一方の話だけではわからんと心を揺さぶられた記憶があります。
道徳的なというか、慈悲的な感情というか、なんとも言えない・・・
今は触れるだけでも教養は良いと思います。
その「敦盛の最期」を中2にして、触れたむすこたちです。
平家物語って言っても、国語の授業なので背景や、どの時期の話だかほとんどわかってないと思います。
でも、忘れていると言っても一度は頭に入れて暗誦した一節です。
いつか、どこかでふと掘り起こされることがあるでしょう。
教養と言うのは、今はそんなもんでも良いと思っています。
好きか嫌いかはこれから選択すれば良い。
歴史に限らず何かを見た機会につながっていくものです。
買い物帰りにいきなり思い出すだけでも偉いよ。
おそらく、その武士道だとか、慈悲的な心とか、道徳心そんなものが心に表れる子なので、「敦盛の最期」の内容が心に残ったのかもしれません。