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タナカー的田中圭くん「役柄」レビュー~しあわせのかおり(2008年公開映画)

全体的に静かにゆったりとした時間が流れるヒューマンドラマ。舞台は石川県金沢市で、実在する店等も登場してきます。


これホント、観終わったあと(というか見ている最中に)無性に中華料理が食べたくなる。手の込んだ料理よりも、シンプルな料理がおいしいほうが幸せに感じるって、なんだかすごくよくわかる。

田中圭くんは、ヒロインを暖かく見守る純朴な農家の青年役・明くん。
この作品で特筆すべきは、圭くんが石川の方言を使って演じていること。石川(富山も交じってる?)は語尾に「が」「け」というような言葉がつく事以外、どちらかというとアクセントやイントネーションでその特徴を出さなければならないので、使いこなすのは結構大変だったのではないかな~。

でもそのかいあってか、どっからどう見ても田舎の純朴な青年になっている。彼の不思議なところは、そういう役をやるとなぜか容姿まで素朴な感じになってしまうこと。この明くんをやってる圭くんには、まさに田舎から出てきたばかりの新人くんみたいな感じすら漂っている。


いつも思うけど、役柄が変わっただけで、見た目までこんなに変化してしまうこの役者さんは、ほんとどういう才能を持ってるんだろう。このスマートな青年と同一人物だとはちょっと思えないな~😅

この映画もそうだけど、彼の出演作を見ているととにかく、食べてるシーンが多いなぁと感じます。
きっとおいしそうに食べるから監督さんがそういうシーンを撮りたくなるのだろうなと思っていたけれど、食べながらのお芝居するのは喋るタイミングが難しいから緊張する、と話していた俳優さんの話を聞いてからは、食事シーンを自然に演じられるという彼の技量もかなり買われているのかもしれない、と思ったりもしている。

憧れのヒロインが、料理を習う所を興味深々で眺めつつも、出来上がったものをつまみ食いしている姿はとても微笑ましい。
畑でキュウリをかじってるところも、なんか素朴でとても良かったし。ほんと、彼はいつでも何かを食べさせておきたい役者さんだ。

畑仕事をしたり野菜を運ぶカジュアルな恰好やスーツもちゃんとあって、タナカーさんにはちょっと嬉しい感じなんだけど、ヒロインと料理人が宴席で料理を出す際の蝶ネクタイ姿もなかなかサマになってる。

暖かくておいしそうで、観た後心がほっこりと幸せな気持ちに包まれます。

素朴さ ★★★★
優しさ ★★★★


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