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舞台『今日は楽しいお葬式 』千穐楽(Bチーム)感想

わたくし、インスタではhavanero6、Twitterではりん子、そしてこのnoteではQ7JSという、自称「SNSの数だけ名前のある女」です。今日はQ7JSの7である、LokuRokの舞台『今日は楽しいお葬式』の感想レポートをします。

(私の文章は削る前の鰹節みたいに硬いくせに、材木みたいに味がしないので、少しでも読みやすいように心がけて参ります。お手柔らかにどうぞ。)


主演の2人の演技は初めて見たのですが、想像とは全く違いすぎて、圧倒されました。たくさんの人が時間をかけて丁寧に作られた温かい舞台で、とても素敵でした。やっぱり舞台観劇って最高ですね。

その日のお客さんによって場を温めるのに時間がかかってしまうこともあるのですが、千穐楽で何回が来てる方や、演劇の関係者の方もいらっしゃったようで会場の雰囲気もとても良かったです。

さて、ここから本題のレポに入ります。長い前説でした。お待たせシュタッ!◝(  ˙ ꒳ ˙  )◜

(念押ししておきますが、あくまで素人の一個人の感想です。悪しからず)

オープニングから「あ、このシーン繋がるな」と予想。堀越さんのメガネはレンズがないタイプの伊達メガネで小道具としてしっかり役割を与えられてるようでした。瑠璃さんや、茂田さんとの対比が見られました。(堀越さんは黒髪で前髪があるので、顔周りが重たくなったのがもったいない気がしました。ネクタイと合わせて、黄色い縁のメガネにしてみると印象が変わるかも?)

二朗さんはとにかく立ち姿が印象的で、ムスッとしながらも時々ほかの人物の方に顔を向けたり、表情が変わったりして本当は素直な子なんだなという印象でした。照明の加減で、時々芸人のヒロシさんみたいになることに気づいて、シリアスなシーンで笑いそうになりました。なんと言っても、耳かけとタバコを持つところはファンにはたまらないサービスシーンでした。パッと見銘柄はセッターですかね。吸い慣れていそうなところにドキドキしました。

茂田さんの腰、ズボンの左側にタグが着いているように見えたのは気のせいですかね?抜けているけど、憎めないマネージャーさんの存在感が素敵でした。柔らかい雰囲気なのに不意に冷たくなるところもギャップがあって面白かったです。

サザエさんはメイクがとても素敵で、関東人の私には関西弁もすごく自然に聞こえました。姉御って感じだけど一郎さんのネタ帳を見るのを怖がっているところに、他人の目を気にする一面を垣間見れて良かったです。トップスと靴下の色が合っているところが役を徹底されている感じで素敵でした。

カツオさんはこの中では実力者なんだろうなというのがすぐにわかりました。アドリブも効くし、周りの人が良く見えているように見受けられました。一郎さんにボールが当たった場面では「物理やん」にめちゃくちゃ笑ったし、会場と舞台上を結んでいる人物だなと思いました。関西弁が自然なのは言わずもがな、最後の最後で感情を顕にするところは、カツオさんが抱えていた闇が炭酸のように弾けたように見えて、こちらも思わずもらい泣きしてしまいました。

飛鳥さんはめっちゃ怖かったです。純粋な愛だからこその怖さがあって、推しがいる人なら誰でも夢に見るシチュを本当に実現してしまうところはすごい行動力だなと思いました。棺の中に入るところは少し前に問題になったバイトテロを彷彿とさせて、色んな意味で背筋がゾクッとしました。でも誰よりも軽やかに舞台を往復するところがエネルギッシュで素敵でした。

瑠璃さんの「〇〇はあちらで」が途中から回想と会葬をかけてることに気づいて、すごいと思いました。メガネキャラが複数いる中で、野暮ったさというか新人特有の「危なっかしくて見てられない」ところがよく出ていました。葬儀屋さんの最後のナレーションのところをもう少し実際の葬儀屋さんに寄せられると、普通に話しているところとのギャップが出ていいんじゃないかなと思いました。みんながスローで動くシーンで「タバコはあちらで」が口パクでもみんなに伝わっていてさすがだなと思いました。影が切れる最後まで気を抜かずにはけていくところが良かったです。

レイラさんの表情筋の柔らかさにとても笑わされました。オーラがあって周りとは纏ってる雰囲気が違うのに、JKを煽る(特に「クソガキ殺してやる!」)時の顔とか最高でした。めっちゃ細かいですけど、最後の葬式のシーンでイヤリングは外すか、髪の毛で隠した方が良かったかと思います。

まみこさんはZ世代のインフルエンサーという感じで、妙に大人びているけど浴びてる光が強い分、闇が深いのかなと思いました。小さい頃から業界で働いているというよりは、SNSでバズってテレビにも進出したけど、周りの環境に1番追いつけていなくて溺れているような印象でした。どこか無理して笑っているところが切なげで心臓がぎゅっとなりました。

一郎さんは半紙に垂れた墨汁のような闇を持っていて、じわっと拡がって元に戻せない感じがすごく痛くて感情の波を操るのが上手いなと思いました。特に遺書を書いたあとから最期を迎えるところは息を飲みました。

堀越さんがなんだかんだで二朗くんのことを手のひらで転がしているというか、丸め込んでいるところが若くして取締役に選ばれた理由かなと思いました。ほかの登場人物が回想をしているところで、目をキラキラさせているように見える場面が何回かあって「この人めっちゃ漫才作りたいんだ(笑)やりたくて仕方ないのか?」と思ってしまうほどでした。もしかしたら、葬儀屋は家業で早めに継がされたのかなとか色々考えながら楽しめました。

環奈さんは鼻筋がすっと通っていて、眼力があるので、刑事の役がピッタリハマっていて、かっこよかったです。レイラさんとまみこさんの仲裁に入ったり、ほかの人物の回想の時に必ずメモを取っていたり、照明が当たっていない時も気持ちが切れないところがしっかり見えて素晴らしかったです。

小道具の世界一優しい桃太郎はアクリル板越しだとちょっと見えにくかったので、桃だけでも色があると見やすかったかなと思います。

消え物のかっぱ巻き、なんだかんだ言って皆さん召し上がるんですね。心の中で「食うんかいっ」と何度もツッコミを入れました。途中 二朗くんが食べる直前で場面転換するところは、「あ、かっぱ巻き…!」となりましたし、もはや無くてはならない存在でした。恐るべし、かっぱ巻き。

LokuRokのお2人のモデル体型に改めて驚かされました。オープニングはなんと思おもいませんでしたが、ほかの演者さんと並んだ時の等身がえげつなくて、「細っ。長!?」ってなりました。羨ましい。漫才のシーンはさすがというか、いつもインライやYouTubeで見ているままの2人で、笑わせてもらいました。特に「天然じゃないよ!?」「そうやって怒るやつは天然なんだよ!」ってところは、息が出来なくてお腹が痛かったです。

音響は漫才番組で使われているものがいくつかあって、細かいこだわりが感じられました。やっぱりしょげないでよBabyはシリアスな雰囲気をふわっと和ませてくれてタイミングがバッチリでさすがでした。

最後に、好きなセリフをいくつか挙げます

レイラさん『信じたい方を信じてあげて』

一郎さん『みんな騙されたくて騙されてる。まみこちゃんは綺麗な嘘でみんなを救ってあげてるんだ』

飛鳥『私も一郎の死ぬ理由になりたかった』

生意気にもたくさん書かせて頂きました。私自身、今年大好きな祖父を亡くして、当たり前の明日なんて来ないことを痛感しました。葬式がテーマのこの作品を見るのもとても迷いました。でも見てよかったと思います。当たり前のものが失われていく度、無力さを感じざるを得ないけれど、信じたいもの・守りたいものを大事にしていきたいと思いました。

LokuRokのお2人、出演者の皆様、関係者の皆様、素敵な作品をありがとうございました。本当にお疲れ様でした。【Q7JS】

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