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楽に追う

 今日は日記を書く気力がなかった、というより書きたいと思うようなことがなかった。
 だから、思想のような癖のようなものを書き殴ってみる。

 わたしは追われるのが苦手だ。
 人に追われるのも、宿題に追われるのも、責任に追われるのも、とにかくなにかに追われるのが苦手で怖い。
 逆に追うのは好きだ。夢も人も目標も、その他諸々も。きっとわたしみたいに追われるのが好きじゃない人でさえ、追ってしまっていると思う。
 どうしてだろう、と考える。
 たぶん、追うほうが楽なのだ。こっちの一方的な気持ちから始まって、一方的に終わることができる。追われる側ならそうはいかない、だって望んでいなくても追われるのだから。
 追う側なら楽、だと思う。けれど、そう思えないときもある。向こうから絶対的な拒否を突きつけられたとき、苦しくなる。全部こちら側の気持ちで勝手な運転をしていたいのに、目の前に突然こちらに掌を向ける人が現れたみたいな。拒否されたあと、行き場をなくした思いは燻り、ヘイトに変わる。これが、わたしの本当によくないところだと思う。たぶん、追いかけてあげてる、と思っている節がある。ああ、最低最悪な人間だ。今日もそういう気持ちを味わった。あの子がわたしにだけあからさまに態度を変えてくる、と相手を悪者にする言葉ばかりを思い浮かべる。もうあの子なんか好きじゃない、と。

 わたしは恋をしたことがない。けれど、きっとわたしにとって追うというものは、恋と何ら変わりないのかもしれない、わかんないけど。
 もしそうなら、本物の恋などしたくない。きっとバッドエンドが待ち受けているのだろう。最後にわたしは相手を嫌いになり、好きだった日々も想いも否定するのだろう。なんて、全部妄想だけれど。

 結局わたしは自分の気持ちを最優先にしていたいだけなのだ。


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