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まちやのこ執筆作品

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#掌編小説

町は廻る①

 「かみさま」。どこかで声がする。

 周りを海に囲まれた島のちょうど真ん中。そこには街一帯を見下ろせるくらい高い高い塔がある。ある程度発展した街には少しだけ不釣り合いだと言うこと以外にはなんの変哲もない石造りの塔のてっぺん、そこが「それ」の特等席だった。
 「それ」は確かになんらかの生き物だった。にんげんのような頭があって、二本の足で歩いてなんらかの言葉も話す。しかし、「それがいったい何者である

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