見出し画像

旗当番と挨拶と校長先生

小学生の登校を見守る旗当番。
通学路の要所要所に立って旗を持つアレである。
私はこの旗当番が大好きだ。

近所の子供達がゆっくり歩きながら、
時には元気に走りながら通り過ぎてゆく。

挨拶してくれる子、
恥ずかしそうにペコリと頭を下げる子、
私が「おはよー!」と声を掛けると返事してくれる子。
時々私も顔見知りの子がいたりして
短い雑談をしてから「いってらっしゃい!」と見送ったりする。
息子も「今日はママがお当番!」と思うと
なぜか張り切って登校する。

みんな、意外とちゃんと挨拶してくれるんだな。
それぞれの挨拶の仕方が可愛らしい。

でも実はこれ、校長先生のたゆまぬご指導によるおかげかもしれない。

息子の小学校の校長先生はとても子供想いの先生だ。
朝はどの先生よりも先に校門を開け、
一人ひとりに挨拶をしながら出迎える。
下校の時もこれまた校長先生が門を開けて、
順番に一人ひとりとジャンケンしてからさようならと挨拶をする。
どの子も弾けるように下駄箱のある出入口から飛び出してきて
我先にと校長先生とのジャンケンめがけて走ってゆく。
みんな、校長先生との挨拶が大好きだ。

こんなこともあった。
春の台風の日に私が息子を教室まで送り届けて校門を出ると
一人の低学年の女の子が傘もささず、
レインコートだけで中の服までびしょびしょになって
寒さで震えながら登校してきた。
びっくりして私の傘に入れて校門まで戻り校長先生に引き渡すと
校長先生は教室までその子を送り、傘も用意してくれた。

息子が入学当初の登校時に大癇癪を起こして
校門まであと少しの所で大荒れしていた時。
私が汗びっしょりで説得していたら
校長先生が「後は私が引き継ぎますよ」と言ってくれた。
あんまりにも恐れ多すぎて遠慮してしまったが、
そのお声掛けがとても嬉しかった。
(今となれば無理して登校しなくても…と思うし、
校長先生に頼っても良かったのかなとも思う)

もしかしたらこういったことは他の校長先生もしているのかもしれない。
挨拶だって、それぞれお家での躾の賜物かもしれない。

でも、なんだかこの校長先生からは「大きな愛」というか
「お父さんのあったかい目線」を感じるのだ。
「ちゃんと見守ってるからみんな元気に大きくなあれ」って。
学校の一番えらい人がそうだったら
きっと先生方にもその気持ちは伝染するだろう。

お父さん校長先生に見守られてのびのび過ごしているみんなが
ちょっとうらやましくもある。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?