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20210301 80年代末から90年代中頃まで、夜はNHK-FMばかり聴いていた

小学生の頃ぐらいまで、触れるメディアといえばテレビばかりだった。
ラジオもあったが、自分とは関係のない世界という感じがしていた。
ラジオを聴くといえば、父の車に乗っているとき。
トラックやバンなど仕事に関係する車しか我が家にはなかったこともあり、ラジオといえばAMを聴くのが普通だった。
母も、仕事をしている机でソニーのトランジスタラジオで放送を聴きながらそろばんをはじいて伝票の整理をしていた。

一時、我が家に珍しくMarkⅡのセダンを所有していた時期があり、この車にFMラジオがついていて、生まれて初めてステレオ放送というのを聴いた。
今、自分の仕事部屋にあるビクターの古いレコードプレーヤーは、倉庫の奥に眠っていて、使われていなかった。
テレビは、まだチャンネルをガチャガチャとダイヤルを回すもので、音声はモノラル。
ステレオ放送とは縁遠い生活をしていた。

自分個人でラジオを聴くようになったのが、小学4年生の時。
自転車でこけて、左肘の関節のすぐ上の骨を折ったときのこと。
整形外科に運ばれるのではなく、ほねつぎに運ばれて二人の先生が思いっきり腕を引っ張って元の位置に戻そうとするのだが、骨はずれたままで戻らず。
その後、ベッドに25日間くくりつけられて、おもりで腕を引っ張って骨を元に戻すという生活になる。
器具にずっと腕を引っ張られている状態なので、ベッドから起き上がる生活ができない。
病院ではないけれど、自宅での入院状態。
ベッドを据え付けられた部屋にはテレビがなかったので、母がラジカセを枕元に置いてくれて、ラジオを聴けるようにしてくれた。

当時、FM放送はNHKと民放の2つの局しかなかったし、何を聴いて良いかわからなかった。
だから、基本的にはAMで放送を聴いていた。
よく聴いたのはNHK。
日曜日にのど自慢がテレビと同時に放送しているのをその時はじめて知った。
NHK新ラジオ歌謡というのがあって、手仕事屋吉兵衛さんというひとの歌がしょっちゅう流れていた。
何曜日だったか忘れたけれど、春日三球さんが番組をしていたり。クイズ番組があったり。
森繁久弥ともう一人女優の方がラジオドラマをやっていたり、ぼちぼちプロ野球に興味を持ち始めていたので野球中継を聴いたり。
紅白歌合戦もラジオで聴くことになった。
昼の憩いは、今も続いているけれど、ラジオから流れてくる季節の便りに出歩けない外の世界のことに思いをはせるようになった。
テレビとは違う世界があるのをその頃知った。

そんな生活をしていたら、父が倉庫の奥に眠っていたビクターの古いレコードプレーヤーを出してきてくれて、聞けるようにしてくれた。
そこで、FM放送を聴くということにつながり始める。

特に聴いていたのはNHK-FM。
テレビの野球中継は9時20分頃に終わると、ラジオをつけて試合終了までラジオで追っかける。
それが終わると、チューナーをFMに切り替える。
そこから寝るまでの間、NHK-FMを聴くことになる。
それが大体小学校6年から中学生くらいの頃。
ちょうどその時間帯は、大体「ジョイフルポップ」や「ミュージックスクエア」という番組をしていた。曜日別に違う人が番組を仕切っている。
好きなのは、金曜日の中島みゆきの日。
そこから、中島みゆきのファンになった。

こうした番組が終わると、「青春アドベンチャー」という連続ラジオドラマが流れる。
15分番組で、1週間の連続ものがあったり、1話完結のものが5夜続いたり。

そして、一日の締めという感じで聞くのが、「クロスオーバーイレブン」という番組だった。
大体、この番組を聴いていると眠くなって寝てしまう。
高校生くらいの時には、CDラジカセを買ってもらって、そこにイヤフォンをつないで聴いたり、受験勉強をしながら聴くようになっていた。
90年代、学生で実家を出て寮に入るまで、毎日のルーティンだったように思う。

「クロスオーバーイレブン」はコアなファンがいたようで、番組が終わってからも特番で放送があったり、そして企画もののCDとして復活したり。
自分も、そのうちの2枚を所有している。
津嘉山正種の声がホントに好きだった。
今も、できることならこの声を聴きながら、眠りにつきたいと思うことが多々ある。
例年、復活放送があるのだが、今年はまだない。
NHKも未だにHPを残しているのがえらい。

ちょうどバブル花盛りの頃。
自分は、テレビよりもラジオの方が良いという生活を送っていたので、周りの人とドラマなどの話は全く合わなかった。
自分はちょっと変なのかな?とも思っていたが、自分が好きなものを好きでいれば良いと考えるようになっていた。

久しぶりに、クロスオーバーイレブンのCDを引っ張り出して聴こうと思っている。
寝る前の子守歌代わりとして。

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