お勧め書籍「ブレインマネジメント」「2040年の世界とアセンション」吉濱ツトム著

今回は、書籍の紹介をしたいと思います。

僕は臨床心理士や公認心理師の資格でカウンセリング業を20年近く行っているわけですが、自分の好きな立ち位置は、業界でもマニアックな立ち位置だと思います。

もうこれまでの記事を読んだ方ならわかるかもしれませんが、スピリチュアルという分野が僕の大好きな分野で、ライフワーク的なテーマです。

学生時代、臨床心理の仕事をやろうと思った時も、現実世界とスピリチュアル世界を同時に取り組める可能性があるのではないか!?

という期待から、この業界に入った部分が正直あります。

では実際はどうでしょうか!?

スピリチュアルの世界は確かに面白いのですが、現状、臨床心理学的な現実的な視点ではほぼ全く使えない、というか有害な類すら多々見かけている、というのが現状です。

では臨床心理学の世界は、当然実世界への「適応」を目指すところに重きを置いているので、トランスパーソナルやスピリチュアルに関心のある人、つまり「いきがい」「やりがい」「人生の意味」「自分の存在意義」に答えてくれる余裕はない印象です。

そうしてその満たれぬ隙間をスピリチュアル産業が今も昔も扱っているということです。

この問題は、臨床心理学の領域にもスピリチュアル会の領域にも、それぞれ問題があるように思います。

今回は、スピリチュアル側の問題点を考えてみて、その上で本当のスピリチュアルの大切さを見ます。

そしてその参考書籍として必要な知識と実践的な訓練法の絶好の書籍として、上記の「ブレインマネジメント」「2040年の世界とアセンション」(どちらも吉濱ツトム著)

を取り上げてみたいと思います。

今回の記事は殆ど僕自身の考えの内容になっているので、他の機会にでも本の中身について触れられたらと思います。

(※以下、スピリチュアルについてネガティブな表現を書きますが、最後は違う視点で表現しますから、気分を害さないでくださいね。)

ツインソウル・ソウルメイト


例えばスピリチュアルの中での必須ターム、ソウルメイトやツインソウルという言葉。素敵でフワフワした言葉で何となく、尊いイメージがあります。「前世療法」というブライアンワイス博士著の本がさらにこの概念の魅力を押し上げました。

ソウルメイトと出会うことで、今までの灰色だった人生がばら色に変わるというイメージが何となくあるかもしれません。

しかし、実際はソウルメイトでもツインソウルでも自身の気づきを深めるパートナーであることが多く、パートナー間でのトラブルや共依存、数えきれない摩擦として表現されてしまうことも多いです。

繰り返される虐待関係やDVパートナー、修復困難な家族関係、パワハラ関係や人格障害と疲弊する人間関係。

家系に受け継がれる病や障害、発達障害との関り。

これらの現象は解決することが非常に困難で、実際的な解決方法は現代社会ではまだ整っているとは言い難い状況です。

しかし、このような避けられない家族や人間関係での問題は、

自分が「何を望んで、何をしたいか」という事をはっきりと明確にしてくれる機会を与えたり、

場合によっては「自分は何のために生き、何のために存在するのか!?」という根源的な問いかけをと社会にぶつけてきます。

言葉を返せば、そのような問題に向き合って生きていく姿は、

この世界・宇宙で唯一無二のアイデンティティを確立し、表現し、周囲を勇気づける存在になるきっかけになりえます。

また社会も病や障害を含めた多様性を受け入れ、それぞれの個性を発揮することで、社会全体が利益を得ることを学ぶきっかけにもなります。

つまり、見方を変えると、人間社会の進化を牽引しているとも言えるわけです。

引き寄せの法則

欲望とエゴの言い訳材料に極めてなりやすい。不安と恐怖が強い場合、最初は一時的な安定剤として効果はあるように感じますが、持続的に評価してみると、疑問があります。

引き寄せの法則の、認知心理学的な解釈は、

例えば、奥さんが妊娠したと分かった旦那さんは、昨日では気にならなかったのに、急に街に出ると妊婦さんがよく目に映ったり、ベビーカーや、赤ちゃんのグッズが目に飛び込みます。

また、赤い車が欲しいと思うと、通りに出ると赤い車ばかりが目に飛び込んできたりします。

人間はその時の状況、つまり心理的な状態で重要と思ったものを意識に上げるる認知様式を持っているのです。

これが引き寄せの法則のからくりとも言えます。

「引き寄せの法則」の弊害は、あたかも自分を起点に臨んだ現実や対象を磁石のように引き寄せる、という誤解が生まれてしまうでしょう。

危険なのは、大金やパートナー、車や就職先などを引き寄せようと意図をして叶わなかったときの自己肯定感が下がりネガティブな感情が喚起されてしまうことです。

また、自分のエゴと欲望の間違った肯定感覚に繋がったり、物質的執着の増長に繋がるかもしれません。

昨年からコロナで様々な人が大変な思いをしており、現状に変化を感じないのは誰もコロナが落ち着いた世界をイメージしていないからなのでしょうか?

引き寄せの法則が作用しているならば、世の中がもっと好転していても良いのに、よほど人間が利己的な願いばかりを引き寄せている、という証拠なのかもしれません。

もっと自分だけではなく、近隣と他者の喜びを引き寄せるための自分である方法を伝えたほうが、自分を含む世界もよりよくなってゆくのではないでしょうか!?

高次元意識の存在

他、アセンデッドマスターやチャネリング、宇宙人、天使、龍神、精霊、といった存在がスピリチュアル好きな人は大好きなのですが、それらの存在の力にいつの間にか力を吸いとられ、依存してしまうという傾向も見られます。

彼らのメッセージはとても尊いように見受けられますが、「愛」、「エネルギー」、「波動」、「光」、「手放す」など、他にもたくさんありますが、何時でもどこでも当てはまるような言葉を乱発して具体性てき解決方法がゼロ。

何となくその場がフワフワっとして終わり、長く持って数週間後にはもとのネガティブな状況に戻ってしまう。

そして、ネガティブな状況になると視野が狭くなるので、また同じ甘いアドバイスを求めてチャネラーや占い師の所にいくという、地獄の輪廻が繰り返されます。

アセンション

スピリチュアル界の中心的な概念で、地球の文明が波動が上昇し3次元から5次元以上に上昇し、恐怖をベースに搾取を基本にした支配的ピラミッド社会から、愛をベースに与え合う社会に移行するという概念です。

この概念は2012年が最も有名でした。実は調べてみると50年以上も前から姿かたちを変えて、言い伝えられてきました。

いや、世紀末や黙示録、救世主、末法思想、弥勒の世、など人間は文明を築いた時からそのような概念と常に生きていたように思えます。

つまりはアセンションという、現状の世界が一気にぐるっと反転して、素晴らしい世界に移行するという考えは、人間の脳と心の中にあらかじめプログラムしている生存維持機能の一種のように思われます。

調査によると、ユダヤ人大虐殺のホロコーストで生き残った人々の共通点は、栄養状態や体格、おかれている状況、人格、能力、年齢、性別など様々な条件は関係なかったといいます。

その大きな要因とは。

それはその人自身に「夢」や「希望」があるかないか、ということだったそうです。

「夢」と「希望」が人間に力を与え、ホロコーストの地獄を生き残る力となったのです。

とても美しい話だと思います。

しかしドライな表現ですが、将来に対しての希望を描いていた方が生存率が上がるという仕組みを動物的な脳機能として人間は既に持っているのだとも言えます。

その能力を使ったものが生き残り、使えなかったものが淘汰されていったとも考えられます。

そういう脳機能的な観点から見ると、アセンションや終末思想は脳と心にあらかじめプログラミングされている現象である可能性が高い。

アセンション思想は、進化した発想ではなく、動物的な本能現象として、過酷な環境を生き延びるために受け継がれてきた原始的な反射と反応にすぎないかもしれません。

生存をかけた原始的な反応は「闘争」か「逃避」反応を引き起こします。

例えば大きな地震が起こったり、怪しい人物に突然襲われそうになった時、

人間は「戦う」か「逃げるか」という二者択一の選択を迫られます。

その時は、不安と恐怖でいっぱいで、脳内は偏桃体優位の情報処理になります。この状態は、抽象思考が出来ずに、IQは極端に下がります。

「戦う」か「逃げる」か、という生死をかけた状況で、落ち着いて冷静に考えている時間はありません。そんな状態であれば、その個人はすぐに死んでしまうでしょう。

アセンションという概念は、現状の辛い境遇を生き延びるために脳が作動し作ったが概念で、それを多くの人が共鳴し、広めていった流れも無視できないと思います。

なので、アセンション思想を掲げる人達は、隠れた不安と恐怖が強い人もいます。

極端な思想や行動を追い求め、場合によってはその行動のモチベーションが利己的な不安と恐怖、怒りの発散であることに気がついていません。

そんなにIQが下がった人々は簡単に支配者に手玉に取られます。

つまり、支配者はわざと有事の現象や危機的な状況を作り出し、あおってアセンション思考が起動するように大衆を導きます。

そのような大衆は、IQが低いので簡単にまとめてコントロールできるのです。

仕掛ける側は、甘いささやきと、依存するような情報を入り混ぜ、99%の真実の情報の中に1%の猛毒を入れておきます。

そうして「陰謀論」が出来上がります。

つまり、陰謀論が願望論と揶揄されるのは、自身がその情報に飛びついたモチベーションが利己的な欲求や不安や恐怖からの解放感が背景にあることが見え隠れしているからです。

陰謀論者の背景に、苦しい生活をしていたり、不遇な環境で育った人々が多いのはそのような理由があるからという可能性を持っておくと、安全です。

(もちろん、大変な生活環境や育ちのある方々がすべてそのような傾向がある、という話をしているわけではありません。)

なので、アセンション信者の創る空気や作品にはどこか怪しげで、依存性があり、隠れた差別意識と階級意識、選民意識、そして攻撃性が入り混じっていることが多々あります。

現代でも有名な陰謀論を信じている団体がいますが、彼らの言うような予言や予告された現象は20年以上も前から唱えられ続けていますが、満足に的中したという事はないっでしょう。

いつも寸前のところで計画とん挫したり、延期になったりを繰り返します。

『あと何年で、あと数か月で、来月中に、今月に、夏至を超えたら、UFOの大量着陸、異性文明と「まもなく」コンタクトが始まる。全ての人々に大量のお金が配布される・・・(この「まもなく」、という言葉はかなり怪しい、と個人的には思います)』

・・・そして結局何もないし、何も起こらない。

その何もなかった説明も十分に果たさない。

残ったのは、残念感情と、信じていたのに裏切られた気持ち・・・。

その心の傷も、「自分がまだ成長していないからだ」「なにか宇宙の大いなる計画の一部だから問題ないだろう」「波動を高め、ポジティブにならなければ」

と認知的不協和を無理くり調整しようとします。

・・・予言めいたチャネラーは、高次元存在や宇宙人が情報発信源ということなので、説明責任が十分に果たせない。

・・・肝心の高次元存在と宇宙人は、預言と予告が外れたことに触れない。しばらくすると、また愛か光とかフワフワしたことを言い出す。

そうして、裏切られた期待感とトラウマを手放すためのワーク、ヒーリングを求め、スピ業界と信者との需要と供給が一致します。

こうしてスピ業界は繫盛しつづけます。

繰り返される世界変革詐欺に意識とエネルギーを注ぐなら、日常生活や仕事、家族と、一つ一つ丁寧に過ごした方がよほどアセンションに貢献することに直結すると思うのですが、どうでしょうか!?

ここまで書いて何ですが・・・

ここまで書いて何ですが、実は僕は「ソウルメイト」・「ツインソウル」、世間で理解されていないような「引き寄せの法則」、「宇宙人」・「天使」・「高次元存在」・「精霊」・「チャネリング」

そして「アセンション」

とういうこれまで列挙した概念や他にもスピリチュアルな概念すべてに

本音ではかなり「肯定的」

な立ち位置です。

ただ、状況によっては上記に書いたとおり、猛毒で有害な面しかありません。

ではどんな状況なのかというと、

その人や、その提供者の心理状態が「不安」と「恐怖」が優位なときです。

スピリチュアルは「不安」と「恐怖」を手放すために存在するので、

不安と恐怖とスピリチュアルは、相性が良すぎます。

「不安」と「恐怖」があるところに「スピリチュアル」ありなので、「不安」と「恐怖」が無くなると「スピリチュアル」も無くなってしまいます。

その矛盾を乗り越えた先に、本物のスピリチュアルがあると考えています。

10歳に見たない子に性教育をしたり飲酒をしたり、車の免許は取れないのと同じで、準備が出来ていない状態でスピリチュアルにはまると、かなり危険な状態に陥ってしまいます。

人生が台無しになってしまうリスクもあります。

そのような人を沢山見てきました。

そして僕自身も黒歴史としてそのような体験を沢山積んできました・・・。

脳と心そして体のコンディションが整わないと、カルト宗教化してしまうのがスピリチュアルです。

つまり、脳と心に適切な情報と、日常のワーク(昔の言葉でいえば修行)を取り入れることでそれはクリアになります。

スピリチュアルと現実世界の接点

画像1

上の図は、以前の記事で僕がUPしたものです。

左の円の発達障害とは、能力による得意な分野と不得意な分野の差が激しい状態で、適切な環境下にあれば、平均以上の能力を発揮する人達とも言えます。

という事は、広い視野で考えると、それは別に発達障害人でなくとも、どんな人にでも当てはまるとも言えます。

つまり、スピリチュアルという分野は、実際はオカルトでも嘘でもなんでもなく、ある意味、高度すぎるがゆえに理解がされにくい分野であったとも言えるわけです。

現代においては、もはや最先端の科学の方が、スピリチュアルよりもぶっ飛んだ話をしています。

パラレルワールド、タイムマシン、意識の現象化、ホログラフィック宇宙、意識をデータ上にアップする技術、永遠の寿命化、クローン、再生医療・・・

これらの理論と技術は、もはや空想ではなく現実的な領域です。

昔、スッピリチュアルがオカルトといわれていたことが、実現可能であったり、技術的に実現可能な領域にまで現代の科学は発展してきたのです。

つまり、私たちは本当の意味でのスピリチュアルの時代のど真ん中に生きているとも言えます。

そんな時代に必要な重要な能力の一つが、「メタ認知」になります。

メタ認知

「メタ認知」は現代の別の言葉で言えばマインドフルネス、日常の言葉で言えば「気づき」のことです。

これは筋肉トレーニングと同じように鍛えれば鍛えるほど、上手く運用することが出来ます。

古今東西の宗教には必ず「瞑想」の技法がその教義に含まれており、その核心は、現代語で言えば「メタ認知」という言葉に集約されるのです。

つまり、人間は古来から不安と恐怖と上手く付き合い、克服し、より完成した人格になるために「瞑想」という修行法を行っていましたが、

科学技術の発展した現代では「メタ認知」のトレーニングとして、認知されているということです。

そのトレーニングの目的は、

自分を含む、家族や社会、他者が幸せでであるための心と体のトレーニング

ということです。

長くなってしまいましたが、

吉濱ツトムさん著の上記2冊。

「2040年の世界とアセンション」はこれまでのスピ系のホントは少し違い、テクノロジーの発展と人間の意識の進化した世界を描くネオ・スピリチュアルのような世界観が描かれています。

他方、「ブレインマネジメント」はスピリチュアル要素は全くないのですが、日常生活や仕事、人間関係をうまく運用するのにとっても大切な「メタ認知」のトレーニング方法について描かれています。

この2冊の本を読みながら、自身の能力開発を進め、自分と、自分の周囲の大切な人々を幸せにするきっかけができると思います。

吉濱さんは、科学と深いスピリチュアルの本質をバランスよく表現し、発信されています。

とても参考になり、勉強になります。

注目の作家さんです。











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