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指輪が私に知らせる「何か」

去年の秋ごろから「何か」が、私に訪れる出来事を知らせてくれているように感じる。決してホラーな話ではなく、私にとっては全てが良い出来事で、その予兆のようなもの。
日頃から気にしていないだけで、予兆のような現象は至る所に散りばめられているのかもしれないが、ここ1年程はそういったものを強く感じる。

始まりは親友との再会から

高校の時に同じ部活で仲良くなり、ほとんど毎日一緒に過ごし、大学も同じところへ進学。学生時代を共にした親友とは社会人になってから会う機会が少なくなっていた。
久しぶりに連絡を取った際に小さな出来事で喧嘩をしてしまい、そこから1年程連絡を取っていなかった。
連絡を取っていない間に、以前彼女からプレゼントで貰ったピンキーリングを居酒屋で失くしてしまった。その指輪は気に入っていて毎日付けており、指にはまっていないと気付いた時にはすでに遅く、周辺を探したが見つからなかった。

物が壊れたり、失くしたりする出来事は、スピリチュアルの話で何かを表しているといわれることをよく聞く。(占いやスピリチュアルが割りと好き)
例えば、自分の身代わりになって不運から守ってくれた、というような。
彼女と喧嘩した後だったため、指輪を失くしたことは仕方ないことだと半ば諦めていた。仲が良かった親友でも大人になり、お互いの過ごす環境や関わる人などが変われば考え方も変わる。
学生の頃は毎日同じものを見て、互いに共有していたが、大人になればそうはいかない。彼女がどんな環境にいてどんな人たちと過ごしているのか、表面上のことは分かるが深い部分までは分からない。
私が彼女に対して分からない部分が増えたように、彼女も同じく私の知らない面が増えたのだと思う。

だがそれは仕方のないことで、少し寂しくはあるがそれも大人になったという証拠だろうと私は思っていた。社会人になってからの友達の大切さというものは大きい。仕事の疲れや日々の悩みなどから解放され、学生の頃の話に花を咲かせる。
私にとって友達は癒しのような存在であったため、彼女と私がお互い分かり合えないなら無理に一緒にいる必要はないと、割とドライな考えだった私は自分の中にあるモヤモヤとした気持ちに気付かない振りをして、彼女との関係をそのまま放置した。

あの“ピンキーリング”が見つかる

時が過ぎ、あの指輪を失くしたことを忘れかけていた頃に、突然その指輪は私のもとへ戻ってくることになる。
指輪を失くした居酒屋は当時何度か行っていた居酒屋で、久しぶりに訪れた際「この間この指輪を落とされた方いませんか?」と店員さんが持ってきてくれた指輪が私が失くしたあの“ピンキーリング”だった。
すぐに私のものだ!と気づき、見つかって良かったですと店員さんが手渡してくれた指輪を受け取ったとき、物凄く驚いたことと嬉しかったことを覚えている。

2、3か月はその居酒屋に行っていなかったのだが、店員さんが清掃の際に見つけて取っておいてくれており、顔や予約の名前で覚えてくれていたとしても従業員内で情報が回っていなければ、次の来店がいつかも分からないお客さんに以前の落とし物だと持ってくることもないだろう。それに、落とした私がその日に行っていなければ、全員違いますと答え持ち主不明のままその指輪はもしかしたら破棄されていたかもしれない。私は失くしたときに諦めていたため、お店に落とし物の問い合わせなどもしていない。

その指輪がまた自分の手元に戻ってきたことが驚きだった。
「もしかしたら、親友と仲直りできるのではないか」そう少し期待してしまうほどに。踏んづけてしまっていたのか、少し形が変わってしまっていた指輪をこの先も大事にしようと思った。

急に届いた親友からのメッセージ

指輪が見つかり仲直りできるのかなと思ってはいたが、私からは連絡が出来なかった。変なところで頑固な性格でもあるが故に自分からは歩み寄れず、もし彼女も私と同じように仕方ないと割り切っていたとしたら、
「今さら何?」と思われたりするかもしれないと思うと怖くて進むことが出来なかった。

そんな中、彼女からメッセージが届いた。
あの喧嘩以来、初めてのメッセージ。
急に届いて驚いたが、頑固な私からはきっと何も連絡は来ないだろうと思い、彼女の方から歩み寄ってくれた。
ここで逃したらきっと一生元に戻ることはないだろうと彼女も思っていたようで、彼女もモヤモヤした気持ちを抱えていたとのことだった。
指輪が見つかって以来、ずっと考えていた私ももちろん以前のように彼女とまた笑い合いたいと思っていたため、そこで無事仲直りすることができた。
今では以前と同じように、彼女と笑い合う日々があり、あの時連絡をくれた彼女には感謝の気持ちでいっぱいだ。それとともに、二度と失ってはいけない人だと、私にとってこの人は生涯大切な人だと心に刻まれた。

あの指輪が繋いでくれたのかもしれない

ただ単に、偶然だと言ってしまえば偶然なのかもしれない。
だけれども、失くした指輪が手元に戻ってきたのには「何か」意味があったのではないかと私は思う。
探す気がなかった私の元に戻ってきたのは「大切にするべきもの」だと教えてくれていたのではないかと。偶然と取るにはあまりにもタイミングが良すぎる。

日頃気付いていないだけで、自分に向けられた“隠れているメッセージ”は
沢山散りばめられているのかもしれない。
そういった私に知らせる「何か」のメッセージを、こぼさないようにしたいとこの出来事から思うようになった。




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