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コメンタリーから魅る『フレンチ・コネクション』

あらすじ:ニューヨーク市警察本部薬物対策課でドイル刑事と相棒のラソー刑事が麻薬の売人狩りに躍起になっていた。ドイル刑事は薬物捜査のベテランだが、捜査のためならば強引な手法も厭わない。麻薬の売人を逮捕したある夜、2人はナイトクラブ「コパカバーナ」に飲みに出かける。そこには有力マフィアのギャングたちが妻同伴で来店していた。その際、そのギャングたちと一緒に札びらを切っている若い夫婦がいた。不審に思ったドイルとラソーは、その夫婦を捜査する。

コメンタリー:ジーン・ハックマン、ロイ・シャイダー

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ジーン・ハックマン

ポパイ役は当時の私には願ってもない幸運だった。それまでの私は大作の主役を務めたことなどなかったからね。大きな転機になったよ。主役でも雑に描かれていることがあるが、ポパイは背景も含め人物描写がしっかりしていた。リアリティが十分感じられたんだ。私の当時のエージェント メンガースはこの企画について簡単に説明すると、私が選ばれる可能性は低いだろうと言った。ビリー・フリードキンは無名の俳優を、製作サイドはスターを望んでいたからだ。残念ながら私は どちらも当てはまらなかった。スターじゃないが、数本 映画に出ていて全くの無名でもない。だが両者は結局歩み寄り、私を選んだ。妥協案だった。ビリーに初めて会ったのはプラザホテルのオークルーム。製作のフィル・ダントニとビリーに会いに来るよう言われたんだ。オークルームで食事をしながら話したよ。駆け引きだったね。私を品定めする2人と役を得ようと必死になりウソをつくはめになった私。もし この仕事が決まったらNYにいられるかと聞かれ、“映画に出演中で無理だ”と答えた。すると役柄まで聞いてくる。適当にごまかしたよ。『CISCO PIKE』という映画で悪徳警官を演じてたんだ。

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