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映画レビュー

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#溝口健二

映画レビューの一覧表

ア行 愛、アムール 愛がなんだ アイ、トーニャ 愛のむきだし アイリッシュマン 青い棘 赤い天使 アシュラ  あちらにいる鬼 アトミックブロンド アンダーグラウンド イースタン・プロミス 息もできない 1987、ある闘いの真実  イズ・エー 愛しのアイリーン IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 いのちぼうにふろう ウェスト・サイド・ストーリー 雨月物語 ウルフ・オブ・ウォールストリート 映画作家 田中登 エクソシスト  Xエックス エブリシング・エブ

雨月物語

あらすじ:戦国の世、貧しい陶工・源十郎が若狭姫という女性と知り合い、生活をともにするようになる。だが美しい若狭姫の正体は死霊であった。それを知った源十郎は若狭姫を捨てて故郷に逃げるが、彼女の怨念は執拗に追いすがる……。 溝口健二監督作品熱を発症したのが10年前。同時に宮川一夫撮影監督熱も発症。お二方が関わる作品を名画座等で貪るように鑑賞しました。そして、先日に二度目の鑑賞。初見は田中絹代氏演じる妻側に重きを置いて鑑賞したが、二度目は京マチ子氏演じる姫側に重きを置いて鑑賞。

近松物語

「大経師昔暦」を原作に、愛に結ばれた男女が不義密通の罪で刑場に引かれていくまでを描いた作品。 溝口健二監督作品でいつも思うことは、なんと昔の日本とは生きにくい国だということだ。今作品の舞台となる江戸時代は、妻は夫以外の男と不倫した場合、「不義密通」という罪で当事者である妻と男は死罪とし、 更に被害者の夫には現場で妻と男を殺害しても無罪という報復権が認められている。因みに主人の妻との密通では、 男は引き廻しのうえ獄門とし女は死罪に、 また養父と密通した養女や父娘・母子・兄弟姉

折り鶴お千

あらすじ:神田明神の境内近くで古美術鑑定と称して、いかがわしい商売をしている連中がいた。首領は熊沢と言い、若い娘・お千も彼らに食い物にされていた。熊沢に養われている少年・宗吉は、あまりの仕打ちに耐えかね、お千とともに熊沢一味から逃げ出そうとするが・・・。 溝口健二監督作品だけあって愛する男の為に身を堕とし、尽くす女を情緒豊かに作り上げている。私的に心に深く刻まれたシーンがある。それは、勉学に励む宗吉の為に金を稼がねばならず、体を売るお千。売春をした罪で警察に捕まり、連れて