マガジンのカバー画像

映画レビュー

199
運営しているクリエイター

2020年7月の記事一覧

シンプル・フェイバー

あらすじ:夫を事故で亡くし、ニューヨーク郊外で子供を育てているステファニー(アナ・ケンドリック)は、子供と同じクラスに息子を通わせるエミリー(ブレイク・ライヴリー)の自宅に招かれる。ファッション業界に身を置き、豪華な家に暮らし、小説家の夫に愛されているエミリーとステファニーは意気投合し、親友の間柄となる。ある日、ステファニーはエミリーから息子を学校に迎えにいってほしいと頼まれるが、エミリーはそのまま失踪してしまう・・・。 今作品は『悪魔のような女』や 『ゴーン・ガール』の

フローズン

あらすじ:夜のスキー場で最後の滑りに繰り出したダン、ジョー、パーカー。スキー場が閉まる直前にごり押しで乗ったリフトが突然ストップしてしまう。営業再開は1週間後。誰もいない雪山に、食料もなく、氷点下20度の極寒の中、3人は空中に置き去りにされてしまい・・・。 ホラー映画であるあるの能天気でおバカな若者3人が繰り広げるチープな映画かと思いきや良作でありました。リフトが止まってスキー場に取り残されてしまうという事故はリアルにありそうなので怖さ倍増です。 リフトが止まる☞リフトか

七つの会議

あらすじ:都内の中堅メーカー、東京建電の営業一課で係長を務める八角民夫(野村萬斎)。最低限のノルマしかこなさず、会議も出席するだけという姿勢を課長・坂戸宣彦(片岡愛之助)から責められるが、全く意に介することがない。営業部長・北川誠(香川照之)による厳格な結果主義のもとで部員たちが疲弊する中、突如として八角がパワハラで坂戸を訴え、彼に異動処分が下される。そして常に2番手だった原島万二(及川光博)が新課長に着任する。 今作品を見終わって「ファンタジーかよ?!」と笑ってしまった。

ウルフ・オブ・ウォールストリート

あらすじ: 学歴や人脈もないまま、22歳でウォール街の投資銀行で働きだしたジョーダン・ベルフォート。巧みな話術で人々の心を瞬く間につかみ、斬新なアイデアを次々と繰り出しては業績を上げ、猛烈なスピードで成り上がっていく。富と名声を一気に手に入れ、ウォール街のウルフという異名で呼ばれるようになった彼は、浪費の限りを尽くして世間の話題を集めていく。しかし、その先には思いがけない転落が待ち受けていた。 今作品で成り上がりの低俗な男を演じるレオナルド・ディカプリオの演技力が凄い。人間

フォックスキャッチャー

あらすじ:大学のレスリングコーチを務めていたオリンピックメダリストのマークは、給料が払えないと告げられて学校を解雇される。失意に暮れる中、デュポン財閥の御曹司である大富豪ジョン・デュポンから、ソウルオリンピックに向けたレスリングチーム結成プロジェクトに勧誘される。そしてデュポンはマークの兄で、優秀なコーチでもある金メダリストのデイヴを呼び寄せる。 今作品は大変観応えのある映画であった。原作の著者は、マーク・シュルツ。実写化された作品でマーク・シュルツは自分がそれほどクローズ

ノーカントリー

あらすじ:狩りをしていたルウェリンは、死体の山に囲まれた大量のヘロインと200万ドルの大金を発見する。危険なにおいを感じ取りながらも金を持ち去った彼は、謎の殺し屋シガーに追われることになる。事態を察知した保安官ベルは、2人の行方を追い始めるが……。 今作品は、何故この殺し屋は人を殺すのか追及する話ではない。そして追われる男と殺し屋のバトルアクションでもない。私たちの世界に覆われている不条理を追究する話なのである。作品の中で保安官は殺し屋のことを「幽霊」と言う。この保安官の台

血を吸うカメラ

あらすじ:内気な映画カメラマンのマーク。彼にはある常軌を逸した方法で女性を惨殺しては、恐怖し苦悶に歪む死に顔を映像に収めコレクションし自宅上映するという裏の顔があった。ある日、彼が父親から相続した自宅兼アパートの賃借人ヘレンから声をかけられ親しくなる。奥手だが好青年として彼女と交際を深める裏で、より迫真のスナッフ・フィルムを撮りたいという創作欲求は抑え難く嵩じていき…。 今作品が上映されたのは1960年。ヒッチコック監督の『サイコ』よりも2か月早く上映されたとのことなので元

フィギュアなあなた

あらすじ:リストラされてヤケ酒をあおり、その果てにチンピラとトラブルを起こした孤独な青年。おびただしい数のマネキン人形が廃棄されている歌舞伎町の廃虚ビルへと逃げ込んだ彼は、そこで人間の少女のような肉体をしたセーラー服姿のフィギュアを見つける。胸をもみしだき、下着を脱がせるなどして、フィギュアと甘い時間を過ごしていたが、ビル内で犯罪行為を働くヤクザたちの姿を目撃。彼らに追い詰められ、青年は死を覚悟するが、突如としてフィギュアが動き出してヤクザを次々と蹴散らしていく。 石井隆監